最近よく聞く「MaaS」実際に使ってみた 便利な点と気になる点 それで未来どう変わる?

「Izuko」を使って気になったこと

 そして、キャッシュレス化の推進にもなります。地方の下田エリアでクレジットカードを利用できる店舗は、大手チェーン店などを除き少ないそうで、これはインバウンドを狙うにあたり、重要なポイントです。

 今回の「Izuko」実証実験フェーズ3では、富士山静岡空港もそのエリアに入りましたが、インバウンドも考えてとのこと。ちなみに、富士山静岡空港は東急と三菱地所が運営。また伊豆は、古くから東急が観光開発に注力してきたエリアで、伊豆急行は東急グループ。東急が「Izuko」を展開する背景です。

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下田漁港に到着した「Izukoくろふね号」(2020年11月27日、恵 知仁撮影)。

 ただ今回、「Izuko」を使うにあたって気になったのは、とっつきづらさです。「Izuko」のページをちゃんと見れば分かり、使うのも容易なのですが、新しい「概念」なせいか、まず新しく知って理解する、というハードルがありそうです。ユーザー登録も必要です。

 ある鉄道のチケットレス乗車サービスについて、その関係者は、使えば便利なことはなんとなく分かってもらえても、では登録してもらえるかというと、そこにハードルがあると話していました。

 また「スマホを使わねばいけない」という時点でNGの場合もあるでしょう。東急の森田課長によると、以前、「スマホで買える手軽さ」で受けると思い、バスのフリーパスを紙のきっぷと同額で「Izuko」でも出したところ、大間違いだったそうで、スマホ操作でマゴマゴするなら、利用者はその間に紙のきっぷを買うほうを選ぶといいます。

【写真】乗るのに躊躇する人が少なくない伊豆の普通列車

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