第2次大戦で「戦は数」を体現 B-29のエンジンすら大量生産・大量消費だった米国の凄さ

第2次世界大戦でアメリカが開発したB-29爆撃機は、当時の航空テクノロジーの粋が注がれた最新鋭機であるがゆえにエンジン問題も多発。しかし、それを解決したのは、アメリカでないとなしえない大量生産・大量消費と高い工作精度でした。

「未来からきた爆撃機」を支えた優れた工作精度

 太平洋戦争末期、アメリカがボーイングB-29「スーパーフォートレス」という4発重爆撃機を使って日本本土を空襲し、各地の都市を焼け野原にしたうえ、最後には原子爆弾まで投下したことは比較的よく知られています。

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ボーイングの工場に設けられたB-29の生産ライン。同機は1943年から1946年までのあいだに約4000機生産されている(画像:アメリカ陸軍)。

 B-29は、きわめて優れた性能を有していました。具体的には、高高度を飛行する時も搭乗員が酸素マスクを付ける必要がない与圧室、銃手の経験と練度が頼りになる目測式の従来の機関銃照準器に代えて、敵機の未来位置を自動算定して銃手の射撃をフォローする射撃管制コンピュータ、漆黒の闇でも敵機を捕捉し射撃可能な夜間射撃管制レーダー。雲のせいで地上が見えない場合や、月のない灯火管制下の闇夜でも、目標に対して正確に爆弾を命中させられる爆撃レーダー……などです。

 これらを搭載したB-29は、技術先進国アメリカの当時の最先端テクノロジーの粋を集めた、いわば「未来からきた爆撃機」でした。

 しかし、当時のハイテクの塊だったB-29には、大きな弱点もありました。それは、飛行の要である2000馬力級のライトR-3350「デュプレックス・サイクロン」空冷星型エンジンです。開発自体は第2次世界大戦前から進められていたものの、大戦が勃発し大馬力エンジンが早急に必要になったことから、実用化に拍車がかけられました。

 その結果、試験改良にしかるべき時間をかけられず量産への移行が早すぎたことや、一部の部品加工に問題が生じるなどで、いくつかの難点が判明。加えて、B-29のエンジン・カウリング周りの設計がタイトな点や、R-3350エンジン固有のオーバーヒート癖、おまけに軽量化目的で用いられていたマグネシウム合金が燃えやすいなど、これら諸々の悪条件が重なって、エンジンが機体のトラブルメーカーとなってしまったのです。

【写真】モノによっては使い捨て B-29のエンジン交換シーン

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コメント

4件のコメント

  1. 交換対象はエンジン本体でなく、タービンでは?

  2. 「戦いは数だよ兄貴」

    と、ドズル中将もおっしゃってました。

  3. 真珠湾攻撃を指揮した山本五十六元帥は戦前にアメリカを視察時、工業力の凄さに圧倒させられ、もしアメリカを相手に戦争しても日本は負けると思っていたかもしれません。しかし上からの開戦命令に悩み、アメリカが持つ兵器を奇襲攻撃で減らそうと真珠湾攻撃を指揮したと思います。それに激怒したアメリカはわずか3年以内に今の日本海上自衛隊の最大護衛艦「いずも」級より大きい空母「エセックス」級を23隻、爆撃機B29を大量製造して戦地送り込み、原子爆弾まで使用しました。戦前は軍事力が日本と大差ないアメリカを甘く見ていた指導者たちは山本元帥のようにアメリカ視察に行って勉強していたら思いとどまっていたかもしれませんし、開戦反対の声が出たりして歴史は変わっていたのではないでしょうか。

  4. それに対して当時の日本の技術ではまともなボールベアリングを作ることができず、ボールの精度は10倍悪くてすぐに壊れる材質だった。なのでエンジンもすぐに壊れたしジェットエンジンの実用化など不可能だった。橘花のエンジンはたまたま高精度のベアリングが手に入ったから試作できたが量産なんて不可能だった。

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