「ムーミン」「クマイチ」に「パイパイ」? 鉄道ファンが好んで使う愛称の数々

鉄道車両には鉄道会社が公式に付ける愛称だけでなく、鉄道ファンが独自で付ける愛称があります。その愛称は見た目からだったり製造番号からだったりと様々です。一部は鉄道ファンだけでなく一般にも浸透しています。

愛称は蒸気機関車から

 JR貨物が公募によりEF210形電気機関車に「ECO-POWER 桃太郎」、EH200形電気機関車に「ECO POWER ブルーサンダー」、EH500形電気機関車に「ECO-POWER 金太郎」、DF200形ディーゼル機関車に「ECO-POWER RED BEAR」とそれぞれ愛称を付けていますが、たくさんある鉄道車両には、鉄道ファンのあいだで独自の愛称が付けているケースもあります。

 古くは8620形蒸気機関車を「ハチロク」、D51形蒸気機関車を「デゴイチ」「デコイチ」と呼んだりしています。D51形の半流線形については煙突から給水温め器にかけてカバーで覆われていることから「ナメクジ」(D51形22号機と23号機は「スーパーナメクジ」)、前面が流線形のEF55形電気機関車は見た目から「ムーミン」「カバさん」、主に東北地方で使われたED75形電気機関車は「赤ベコ」です。

Large 210323 nick 01

拡大画像

「ムーミン」とも呼ばれるEF55形電気機関車がけん引する快速「上越トロッコ」(1995年8月、伊藤真悟撮影)。

 鉄道ファンによる鉄道車両の愛称は数多くあります。ここでは国鉄・JRの車両の一部を紹介します。

車両形式名での愛称

●「ゴハチ」「ゴッパー」「パーイチ」
 車両形式名の数字を読んだもので、「ゴハチ」「ゴッパー」はEF58形電気機関車やキハ58系気動車が該当します。「パーイチ」はEF81形電気機関車です。「ゴナナ」=EF57形電気機関車や、「ロクヨン」=EF64形電気機関車といった呼び方もあります。

●「デデゴイチ」「デラックスデゴイチ」「ダメデゴイチ」
 先ごろ、JR貨物で定期運用を終了したDD51形ディーゼル機関車に対する俗称です。アルファベットの最初の「D」を「デ」や「デラックス」「ダメ」といった読み方に変えたもので、ベースはD51形蒸気機関車の「デゴイチ」となります。

●「デーテン」
 DE10形ディーゼル機関車のことです。「E」の発音を省略し、「10」は英語読みに変換しています。

Large 210323 nick 02

拡大画像

DD51形ディーゼル機関車の次に「デーテン」ことDE10形ディーゼル機関車を連結した山田線お召列車の訓練運転(回送)(1997年9月25日、伊藤真悟撮影)。

●「後藤さん」
 0番台では「ECO-POWER レッドサンダー」の愛称を持つEF510形電気機関車のことです。「510」を「5(ゴ)」と「10(トウ)」に分けて「後藤さん」。しかし、EF210形電気機関車を「ニトウさん」と呼ぶことは稀です。

【写真】鉄道ファン独自の愛称が付いた車両いろいろ

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

3件のコメント

  1. EF55の俗称は、靴のおばけ、またはドタ靴だとききましたが。 
    他は符丁で車両を語り合える相手がいないので知りません。

  2. 呼び方いくつか違うのあって草
    にわかがしゃしゃり出んな

  3. 写真で、東武に譲渡されたディーゼル機関車を牽引した機関車はEF200ではなく、EH200です。
    北海道新幹線の開業による寝台特急「カシオペア」の廃止に伴い、「カシ釜(ガマ)」は「銀釜(ガマ)」になりました。(EF510-500の「北斗星」は、流星デザインが消え、直流機と間違えられやすくなりました)