半蔵門線の中間管理職? レア電車「08系」とは 世代交代の狭間にいる“営団生まれ”

搭載された各種機能・サービスは?

 屋根上を見ると、営団地下鉄の新造車としては初めて、架線から電気を得るパンタグラフに「く」の字型のシングルアームが採用されました。従来の菱形と比べ、軽量化とメンテナンス性の向上が図られています。

 また運転台にある車両情報管理装置では、制御装置やブレーキ装置といった機器の状態を常時監視。万が一の際には故障データの記録や収集を行います。客室内に流れる自動放送やドア上の案内表示器への指令機能も持つほか、上述の故障の際は、装置の復旧方法を乗務員へ知らせる支援機能などもあります。

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行先表示器は2014年頃から、多くの色を表示できるフルカラーLEDに順次更新された(2014年10月、大藤碩哉撮影)。

 旅客サービスの面では、床面の高さを従来の8000系よりも60mm低くしバリアフリー化を図ったほか、全号車の車端部は優先席に。またすべての座席が、座面に凹みを持たせた幅450mmのバケットシートです。

 ドア上には案内表示器を設置。導入当初は字幕がスクロールするLEDタイプでしたが、2014(平成26)年頃から順次、LCD(液晶画面)へ更新されました。車両外側にある行先表示器も、当初は3色表示のLEDでしたが、同じ頃から多くの色を表示できるフルカラーLEDに更新されています。

 ほかにも、増加していた訪日外国人のニーズに応えるため、2018年頃より車内にフリーWi-Fiが設置されています。

 冒頭で述べた通り、新型18000系の導入本数は8000系の在籍数と同じため、08系はすぐに廃車とはならなさそうです。中央林間~久喜・南栗橋間の約100kmを走破するロングランナーとして、まだしばらく活躍が見られるでしょう。

【了】

【貴重・約1年だけのコラボ】営団マークを付けた08系

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