バイクの高速道路料金「半額」実現へ ユーザー長年の悲願 通過点としての「100km以上限定」

ゴールは「いつでもどこでも普通車の半額」

「1回の乗降で100kmを超える利用」という利用距離についても異論がありました。割引対象はNEXCO3社が管理する道路のため、100km以上に限定してしまうと、東京近郊の観光地は、ほとんど対象になりません。

 しかし、高速道路会社が修正に応じることはありませんでした。後述しますが、「システム改修に時間がかかる」(高速道路会社担当者)ということが理由でした。

「適応条件が決まらない限り、割引の実施期間も確定できない」(同上)という高速道路会社を前に、二輪車PTは、「最終目標は普通車1に対して二輪車0.5(の料金負担割合)。この状態をいつでもどこでも、日本国中で実施すること」(逢沢さん)という姿勢を変えるべきか判断を迫られて、最終的に「ゴールに向けたステップにしたい」という形で、二輪車を対象とした初めての定率割引の実施を決めることになりました。

●軽四輪と軽二輪を区別できない?

 高速道路の料金割引では、しばしばシステム改修が障害になります。今回の二輪車定率割引の議論でも、軽四輪と軽二輪が区別できないことで、システム改修費のコストと、割引による効果が予測できないとして、国交省高速道路課と高速道路会社は難色を示しました。現在の車種区分でバイクは「軽自動車等」の料金区分に含まれているため、というのが理由でした。

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自民党本部で6月16日開催した自民党二輪車問題プロジェクトチーム。左から今村雅弘幹事長、逢沢一郎座長、宮沢博行事務局次長(中島みなみ撮影)。

 そのようななかスタートしたのが、高速道路会社によるエリアを限定したETC定額割引商品のひとつ「ETC二輪車ツーリングプラン」でした。逢沢さんは「通行料金適正化の政策的意図もこめて、(定額割引の)二輪車ツーリングプランを始めて5年目。関係の皆さんに努力を続けてもらってきた」と振り返ります。

 このツーリングプランの利用者動向をもとに、定額割引が高速道路料金収入にもたらす影響などを議論。国交省が料金算出の根拠とする道路損傷や空間占有率を考えても、定率割引の影響は軽微であり、利用者を増やすことにつながるという結論を導きだしたのです。

 なお、二輪車の定率割引が適応される土休日は、通常であれば休日割引が適応されていますが、重複して適応されることはないようです。

【了】

【写真】バイクの高速道路割引「真のゴール」を語る逢沢座長

Writer: 中島みなみ(記者)

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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コメント

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6件のコメント

  1. おいおい!距離と申し込み限定だと?
    一軸浮かして走るトレーラーが特大を逃れるならバイクはウィリーすりゃいいのか?
    ふざけるな!バイクの軸数や重量を考えりゃ半額でも高いわ!
    最近の軽は重く普通料金を取りたいならアルファード級のハイブリッド車から大型料金取れよw
    自分はバイク乗らないけど2輪車ライダーを何時まで不公平な料金の渦に晒すつもりなのか?

  2. この程度で俺たちやりました感出すなよ。おかしなことはすぐに正せ。値上げは素早くやるくせに、値下げとなるとめんどくさい条件つけやがって。いい加減仕事しろや。

  3. 改修にカネがかかるから難色を示す!?
    何いってんだ?適正な料金に直すんだからかかって当然だろ?
    仕事しろや!

  4. 改修が終わるまでは、ETC情報を元に後日返金で良いんじゃね?

  5. 土日祝日が仕事の人には何の恩恵も無いんですね。

  6. これ土日祝日はもともとは休日割引で30%オフだから変わらんやんけ!!!と思ったそこのあなた!
    休日割引見直しの話が既にでてるし、休日割引は一切資料にでておらず、「観光振興に資するため」のバイク割引という立て付けからもわかる。
    四輪に関して本当に休日割引は無くなって、gotoプランのようなパックプランだけにするつもりだぞ。