なぜ少数派「駅カレー」 実は個性派ぞろい? 駅そば店にも名カレー 超有名バスカレーも

「コーヒーと合うカレー」「牛乳と合うカレー」を駅ホームで!

 コストパフォーマンスでいえば、JR秋葉原駅6番線(総武線)ホームの「新田毎(しんたごと)」も見逃せません。毎週火・木・土・日曜日のサービスデーには、ほぼ半額(1200円→690円、2021年7月現在)となる「ステーキカレー」の注文が激増、店内は「そば派」と「ステーキカレー派」で二分されます。

 新田毎は、毎週月・水・金曜日には天丼セット(そばのみ)が大幅割引になるほか、平日データイムには格安になるメニューも存在するなど、いつ行ってもお得なことで知られています。通路を挟んで向かい側には、多い時で1日3000本もの牛乳が売れるというミルクスタンド「ミルクショップ酪」があり、スパイシーなカレーで満たされた人々の多くが、心なしかそのまま牛乳を飲みにきているのは気のせいでしょうか。

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2021年に新装開店した「カレーショップミンガス」「阪神そば」併設店(宮武和多哉撮影)。

 関西では、阪神梅田駅改札横のカレー専門店「ミンガス」が50年近く歴史を重ねています。客船のコックから味を伝授されたという欧風のカレーはとてもまろやかで、甲子園球場の試合がある際はカツカレーの注文が増えるとも。2021年4月にいったん閉店し、6月に同系列の「阪神そば」とカレーの複合店として再オープンした後は、カレーだけでなく特製の「カレーそば・うどん」もコラボ商品として人気を集めています。

 ほかにも関西では、JR天王寺駅 阪和線9番ホーム(降車専用)に店を構える「カフェプレスト」(7月現在は休業中)や、駅カレー専門店の出店や駅弁仕様のカレー発売が話題を呼んだ米原駅「井筒屋」なども存在感を保っています。ほかにもJR駅の構内では、前出したカレー専門店「印度倶楽部」がかつてあったり、構内喫茶店での提供も多かったりしたため、「乗り換えついでにササッとカレー」という習慣が残っているのかもしれません。

 駅利用者は時間に追われていることが多く、構内での食事は効率とスピードが求められます。「駅カレー」は、まず大勢での会食となることもないため、これからの時代にはある意味向いているのかもしれません。

【了】

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Writer: 宮武和多哉(旅行・乗り物ライター)

香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。

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