「安いスポーツカー」が今こそ必要な理由 各社しのぎを削った時代は何が違った?

日本の自動車メーカーが、庶民でも手が届くレベルのスポーツカーを相次いで復活、あるいは新モデルを登場させています。かつては各メーカーがしのぎを削って開発したものですが、いまこそ必要なクルマ、といえそうです。

身近にスポーツカーがあった時代はクルマも売れていた

 そのような手の届きやすい価格のスポーツカーは、当然、数多く売れました。それらが中古車になれば、さらに安くなります。最後は「タダでもいいからもらって」と、親や親戚、先輩、友人などから、いただけることもありました。筆者(鈴木ケンイチ:モータージャーナリスト)も、初代のセリカを「もらって」と言われて、「そんなボロいのいらない」と断った記憶があります。それくらいスポーツカーが身近になっていたのです。

 それだけスポーツカーが身近ということは、スポーツカーに乗って「クルマを操る楽しみ」を体感した人が多いことを意味します。スポーツカーは加速・減速・コーナーリングのすべてのシーンで、ドライバーの操作に対して即座に反応することが特徴です。ドライバーの思うように走ることができる。それが、いかに楽しいのかということを、スポーツカーは運転する人に教えてくれます。

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セリカから独立する形で1986年に誕生した初代スープラ(画像:トヨタ)。

「好きな時に、好きな場所に行ける」「人や荷物を自由に運べる」といったクルマの利便性に、「操る楽しさ」が加わるのです。クルマが、もっと魅力的になって、もっと好きになることでしょう。また、スポーツカーは華やかなルックスも特徴です。スポーツカーがあることで、クルマ好きな人が増えたことは間違いありません。

 昭和の若者の多くは、クルマが大好きであり、「若者のクルマ離れ」とは、正反対の世の中。新車の販売台数も昭和の最後には、年間で500万台以上にもなりました。そのうち、軽自動車は約80万台でしたから、登録車は420万台以上も売れていたのです。

 ちなみに、ここ最近は乗用車すべてで年間430万台程度、そのうち軽自動車が約140万台。つまり、登録車は290万台しか売れていません。30年も前の方がクルマはたくさん売れていました。

【写真】現在&懐かし「安いスポーツカー」の数々(31枚)

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