早すぎたデジタル迷彩!? 七色の61式戦車が誕生したワケを“生みの親”に聞いた

第2次世界大戦後、国産初の主力戦車として開発された61式戦車は、陸上自衛隊の過渡期に生まれた装備ゆえに迷彩塗装の試験にも用いられました。そのなかでテストされた7色の迷彩車両について、実際に考案した隊員に話を聞きました。

制式採用後の61式戦車のカラーリング

 61戦車は車体を小型に抑えながらも強力な52口径61式90mm戦車砲を装備して、低い車高や60度傾斜の前面装甲で防御力も重視。旧日本軍戦車に似た機関室レイアウトに搭載した出力570馬力の空冷ディーゼルエンジンや測遠器(照準器)の信頼性も高く、アメリカ軍占領期のブランクを経て開発した戦後初の国産戦車としては、まずまずの出来だったといえるのではないでしょうか。

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ステンシル(抜き型)を使い、ホワイトとブルー、イエロー、レッド、ブラックの5色で大きな龍のマークを描いた第13戦車大隊第3中隊(当時)の61式戦車(吉川和篤作画)。

 当初は「特車」の名称で配備された61式戦車ですが、1980年代後半まではダークグリーンの単色塗装でした。これはアメリカ軍などの軍用車両で多用されるオリーブドラブ(暗緑色)、いわゆる「OD」と呼ばれる色より青味と灰色味が強い色調で、自衛隊独特の濃緑色といえるものです。

 このようなダークグリーン単色で塗られたことがあるのは、61式戦車のほかに74式戦車や73式装甲車、82式指揮通信車など、1980年代半ばまでに制式採用された装甲車両です。

 61式戦車や74式戦車の多くは、砲塔側面前部に大隊や中隊別の部隊マークを描いていました。なかには、旧日本陸軍の戦車第十一連隊の伝統を受け継いだ第11戦車大隊(現在の第11戦車隊)の「士魂」マークなど、比較的よく知られたものもあります。

 これら部隊マークのなかで筆者(吉川和篤:軍事ライター/イラストレーター)がユニークなデザインだと思うのが、1980年代初頭に見られた第13戦車大隊(現在の第13戦車中隊)第3中隊(当時)の龍のマークです。

 この頃こそ、陸上自衛隊で様々なパターンの迷彩塗装が試験されていた時期です。戦車のシルエットを崩したり、背景と調和させたりすることを目的に、富士教導団所属の戦車教導隊(現在の機甲教導連隊)で実験的に行われていました。

 たとえば戦車教導隊第2中隊に所属した1両の61式戦車には、1977(昭和52)年夏頃からライトグリーンとブラウンおよびブラックからなる日本戦車には珍しい直線的なパターンの3色迷彩が描かれていたことがあります。

【7色の61式戦車のヒントになったイラスト】

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