要塞作るの禁止→なら空母だ! 海戦を一変させた98年前のワシントン海軍軍縮条約

11月11日はワシントン海軍軍縮条約の交渉が始まった日。1923年に発効した本条約は、米英日仏伊5か国がどの程度の海軍力を保持できるか決めたものですが、戦艦や空母の保有量の宣言とは別の禁止条項が存在しました。

要塞化禁止条項の意味

 実際、日本海軍は「赤城」「加賀」について、有事には主砲を14門まで増やせる設計としていました。これは、当時の空母は主力戦艦部隊よりも先行し、敵艦隊の動向を探る、いわゆる「偵察艦隊」の目としての役割を期待されていたからで、そうなると同様に先行してくるであろう敵の偵察艦隊と遭遇する可能性を顧慮してのことでした。

 艦載機の性能を考えると、主砲での砲撃戦でも海戦が十分に成立する時代でした。前出のアメリカ海軍のレキシントン級空母や、旧日本海軍の「赤城」などの大型空母は、戦艦に次いで砲撃力に秀でた巡洋艦などと十分に撃ち合うことが可能な、強力な砲撃力を持つ水上戦闘艦艇だったのです。

 さらに日本は、戦艦「陸奥」保有時の駆け引きで、対英米6割を飲む代わりに「要塞化禁止条項」を認めさせています。現状の要塞はそのままに、一部の重要施設の強化を禁止するこの条項を追記できたことは外交的成果であったと言えるでしょう。

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大改装を受け、飛行甲板が三段式から1段の全通甲板式へと姿を変えたあとの旧日本海軍の空母「赤城」(画像:アメリカ海軍)。

 当時、航空機の能力がまだ低かった時代、要塞を無力化するには、海上からの徹底砲撃か、陸上からの攻略しかありません。日露戦争で日本が苦戦した旅順要塞の例などを考えても、充分に防備されて艦隊も常駐し、物資が大量備蓄された要塞は難攻不落な“障害”になりえます。

 この「要塞化禁止条項」の制限範囲に香港が含まれたイギリスは、シンガポールに要塞を新たに建設しています。シンガポール要塞は戦艦と同じ38.1cm砲を備えていました。その要塞砲は、のちに日本が建造する大和型戦艦の15.5m測距儀を遥かに上回る30.48m測距儀を備えており、これにより戦艦を上回る射撃精度を確保するなどしていたことから、シンガポール要塞は海上から難攻不落と言える性能でした。

【写真】重巡洋艦とも撃ち合える 大口径砲搭載のアメリカ空母レキシントン級

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コメント

1件のコメント

  1. 弾着にバラつきがあるから照準の正確さはそれほど効果ない、と言うわけではないのですね(゜o゜)30メートルの測距儀とはΣ(゜Д゜)

    軍縮条約の存在意義を何とするかによりますが、「力による国境変更を防ぐ」事を目指したなら要塞禁止は失敗でしたね(;o;)

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