ミサイルごそっと一度に投下 輸送機が攻撃兵器に一変する「ラピッドドラゴン」とは

実は日本も無関係ではない?

 この「ラピッドドラゴン」、実は日本も無関係ではないかもしれません。というのも、先ほど説明した通り、「ラピッドドラゴン」は輸送機に特段の改修を施すことなく巡航ミサイルの運用能力を付与することができるからです。したがって、航空自衛隊が運用しているC-130輸送機や、場合によっては国産のC-2輸送機でも、将来的には「ラピッドドラゴン」を運用することができるようになるかもしれないのです。

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F-16戦闘機から投下される長射程空対地ミサイル「JASSM-ER(統合空対地スタンドオフミサイル・射程延長型)」(画像:アメリカ軍)。

 実際に、アメリカ空軍研究所が発表した資料では、「ラピッドドラゴン」について「外国の友好国や同盟国に対して戦略爆撃能力を与えることができる」と説明がなされています。折しも昨今、敵基地攻撃能力の議論が盛り上がっている日本にとって、今回の試験成功は重要なニュースになるかもしれません。

 この「ラピッドドラゴン」、実はその名前はかつて中国で使用されていた、一度に大量の矢を発射できる兵器に由来するようですが、それが対中国を意識した兵器の名前に冠されるというのは、何とも皮肉な話かもしれません。

【了】

実験に使用された特殊作戦機 MC-130J「コマンドーII」

Writer: 稲葉義泰(軍事ライター)

軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。

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コメント

5件のコメント

  1. このラピッドドラゴンが運用される暁には、
    敵国は自国防衛のために、民間の輸送機も警戒・攻撃の対象としなければならなくなるのではないか?

    大変怖い事だと思います。

    • 民間の輸送機に対しては記事からのみだと対応してないのでは?
      仮にできても積載量等から現実的ではないとは思いますが……

    • 恐らく民間航空機が軍用輸送機と混同されることを危惧しているコメントだと思いますが、使用されるミサイルがJASSM-ERとすると射程900km以上であり、それを発射する輸送機が攻撃を受けるような事態になっているのであれば、そもそも民間貨物機が悠長に飛べるような状況ではないと思われます。

      民間貨物機がこの兵器を運用することを危惧しているのであれば、民間貨物機の多くは尾部にドアがなく機首や側面から貨物を積み下ろしする構造になっており、大型貨物の空中投下を想定していないので不可能です。

  2. アメリカは同盟国も予備弾が自分と同じ位あると思っているのか、それとも予備弾込みで調達させるつもりなのか……。

  3. 脆弱な航空基地に依存しないといけないから日本が持っても意味無いような(>д