伊→独→日に所属、三国同盟の象徴のような潜水艦 黒潮に沈んだあまりに数奇な運命

日本潜水艦として米軍と戦ったハナシも

 先に修理を終えた「UIT-24」は一旦ペナンに戻ったものの、燃料補給艦が失われたために帰国の目処が立たず、日本への連絡任務と点検で1945(昭和20)年1月、再び神戸に寄港します。そこで5月にドイツ敗戦を迎えたため、独伊の搭乗員達は下船。結果、7月に「UIT-24」と「UIT-25」は日本海軍所属となり、新たに「伊503」(カッペリーニ)、「伊504」(トレッリ)の艦番号が再付与され、今度は日本の潜水艦として呉鎮守府の部隊に配属され、8月の終戦を迎えたのです。

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イタリア海軍の「コマンダンテ・カッペリーニ」からドイツ海軍の「UIT-24」を経て、日本海軍の「伊503」潜水艦となった頃の日本国内での撮影。船体は明るいグレー塗装のままであった。(吉川和篤所蔵)。

 こうしてイタリア、ドイツ、日本の枢軸三か国の海軍旗で飾られた、海軍史上まれな存在となった2隻の潜水艦は、終戦の翌年1946(昭和21)年4月にアメリカ海軍によって紀伊水道南方において海没処分され、数奇な運命とともに黒潮の海に消えたのでした。

 ちなみに、元イタリア潜水艦「トレッリ」だった「伊504」は、終戦直前の8月、軍事行動に就いている最中、アメリカ陸軍のB-25爆撃機1機を対空機銃で撃墜したというハナシが残っています。事実ならば、これがイタリア潜水艦による最後の戦果といえるでしょう。

【了】

【極東の写真館で撮影】ドイツの制服を着たイタリア人潜水艦乗り

Writer: 吉川和篤(軍事ライター/イラストレーター)

プロフィール:1964年、香川県生まれ。イタリアやドイツ、日本の兵器や戦史研究を行い、軍事雑誌や模型雑誌で連載を行う。イラストも描き、自著の表紙や挿絵も製作。著書に「イタリア軍入門」「戦場の八九式中戦車写真集」など。

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