「準特急」とは何だったのか 快速急行じゃ×? 「特急」にこだわった京王のレア種別

有料ライナーの下位に2種類の特急は不要?

「準特急」が消滅する理由は、前出のとおり特急の停車駅を増やすためです。一般に速達列車は「停車駅を減らせば早く着く」「停車駅を増やせば利用客を増やせる」という、相反する要素があります。「特急の停車駅を増やす」という判断には、リモートワークや時差出勤、外出自粛の高まりによって、全体的な乗客数が減っているという背景があります。特急の停車駅を増やして「お客様が乗りやすく」というわけです。

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特急の上位種別として「京王ライナー」「Mt.TAKAO号」が登場。5000系電車(右)が使われる(2021年10月、大藤碩哉撮影)。

 そこで特急の停車駅を増やす検討をしたら、準特急と一緒になってしまった――では特急を廃止して準特急を残すかといえば、そうはいきません。「準特急」は「特急」あっての「準」ですから、最上位種別に「準」がついてはおかしいですね。その結果、「準特急は特急になった」というわけです。

 準特急の登場時と現在の違いとして「京王ライナー」「Mt.TAKAO号」の存在も見過ごせません。京王ライナーは2018年に誕生した有料座席指定列車です。当時、新宿~府中間は全通過。2022年春からは明大前~府中間、または明大前~京王永山間をノンストップで走ります。「Mt.TAKAO号」も2018年に登場した臨時列車でしたが、2022年春からは土休日の通年運行となります。こちらも明大前~府中間はノンストップとなる予定です。

 特急の上位に新たな速達列車が登場したわけです。そうなると、下位の特急列車は2種類も必要なし。むしろ停車駅を増やしてそろえて集客しようという判断もあったことでしょう。準特急の利用者が多いから、準特急の方に統合したわけです。つまり、2001年に「準特急」として設定した列車は正しい判断でした。

 今後、京王電鉄で準特急は復活するでしょうか。他社からは誕生するでしょうか。そのとき、準特急はどんな使命を持って走り始めるでしょうか。その時になったら、この記事を思い出すと懐かしく、楽しいかもしれません。

【了】

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Writer: 杉山淳一(鉄道ライター)

乗り鉄。書き鉄。ゲーム鉄。某出版社でゲーム雑誌の広告営業職を経て独立。PCカタログ制作、PC関連雑誌デスクを経験したのち、ネットメディアなどで鉄道関係のニュース、コラムを執筆。国内の鉄道路線踏破率は93パーセント。著書に『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。日本全国列車旅、達人のとっておき33選』(幻冬舎刊)など。

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コメント

3件のコメント

  1. これで思い出しましたが、山陽電鉄の『S特急』も、何となく準特急に似ていますね。
    これも、本来なら『急行』にしたいところでしょうが、急行では遅いイメージになるとして『特急』の名前を付けたようです。

  2. 「国鉄の急行と準急の関係」というくだりはいらなかったですね。

  3. 『「準特急」は「特急」あっての「準」』というくだりに、今のJRの特急のありようを思い起こしました。「急行」あっての「特別」急行のはずなんですが、今や特急しかありません。