戦車の弱点トップを狙うには? 試行錯誤の末 幻の戦車駆逐車が示したごく単純な解答

戦車が登場して100年あまり、研究され尽くした攻略方法のなかでも有効なもののひとつが弱点である上方への攻撃です。これを実現しようとする試行錯誤のなかに、文字通り「シンプルに考えたらそうなるよね」という車両が存在しました。

試作車は好成績だった「パンター戦車駆逐車」計画の顛末

 冷戦下の当時、西ドイツは東西対立の最前線でソ連戦車群の脅威に直面しており、対戦車戦闘の方法を色々と工夫していました。一方で、航空戦力による対戦車戦闘は一過性で持続的な防御線を築くことができないと考え、攻撃ヘリコプターの整備にはあまり積極的ではありませんでした。「パンター戦車駆逐車計画」では、高度差を使って物陰に隠れて攻撃する攻撃ヘリコプターと持続的な防御線を築ける戦闘車の利点を両立させることを考えていたようです。

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クラウス・マファイ・ウエッグマン社の「パンター戦車駆逐車」コンセプトスケッチ(画像:クラウス・マファイ・ウエッグマン)。

「パンター戦車駆逐車計画」の伸縮タワー砲塔は、クラウス・マファイ社が開発します。有人式と無人式があり、武装は射撃時の反動などを考慮し対戦車ミサイルとなります。クラウス・マファイはこの駆逐車をできるだけ安価に抑え、輸出することも目論んで、車台はMAN社の8×8トラックを採用。伸縮タワー砲塔は最高12.5mの高さまで延ばすことができ、HOT対戦車ミサイルを搭載し、試作車のテストでは2000mから4000mの射程で良好な成績を収めました。

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対戦車ミサイル砲塔を伸縮タワーに装備した「パンター戦車駆逐車」の試作車。車体は「レオパルド1」戦車(画像:クラウス・マファイ・ウエッグマン)。

 西ドイツ陸軍はトラック車台ではなく装甲装軌の戦闘車を要求し、ウエッグマン社が退役するレオパルド1の車体を流用する案を提案します。西ドイツ陸軍はこれを2000年代初頭に実用化することを計画しますが、21世紀になる前に冷戦終結の予算削減でこの計画はキャンセルされました。

【画像】居住性は向上したらしいけど…ロシア戦車の「トップアタック対策」

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