「煙突と艦橋が邪魔」「飛行甲板増やせ」空母はいかにして完成されたか 無理ゲーに挑んだ各国

約100年前に誕生した空母は、いまや世界の海軍における主力艦艇になっています。しかし、航空機を軍艦に載せるための技術開発は困難を極めました。空母誕生の時代にしのぎを削った日米英の試行錯誤を振り返ります。

空母機動部隊から空母戦闘群へ

 こうして空母はようやく実用にたえる兵器となりました。しかし、それでも残った空母の弱点は防御力でした。航空攻撃には脆弱だったのです。そこで空母を中心に戦艦、巡洋艦、駆逐艦で編成した空母機動部隊が誕生します。第2次世界大戦で空母機動部隊を運用したのは日本とアメリカの2か国だけでした。

 

 当時のアメリカ太平洋艦隊は、タスク・フォース(任務部隊)に含まれるタスク・ユニット(任務群)に4つの空母機動部隊を組み込んでいました。この空母機動部隊は水上打撃部隊とも呼ばれ、当初は戦艦や巡洋艦などが空母を護衛していましたが、これらの艦艇がイージス艦やミサイル巡洋艦に変わったのが、今日の空母戦闘群(空母打撃群)になります。

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空母「エイブラハム・リンカーン」を中心にしたアメリカの空母戦闘群(画像:アメリカ海軍)。

 第2次世界大戦後も各国は空母を運用し続けています。しかしその誕生のときから変わらず、空母はメンテナンスに手間がかかり、常に作戦行動するには複数の空母打撃群が必要となります。海上自衛隊が「いずも」「かが」の2隻体制を取り、中国が相次いで空母を建造するのもそのためです。それぞれの空母保有国は、空母特有のこうした困難を克服しながら、運用を続けているというわけです。

 空母は航空機の進化ともに、アングルド・デッキやスキージャンプなどを取り入れてきました。今後も戦争のあり方によって姿を変えるかもしれません。

【了】

【写真】日本空母「加賀」の甲板三段式と全通式を見比べ

Writer:

軍事雑誌や書籍の編集。日本海軍、欧米海軍の艦艇や軍用機、戦史の記事を執筆するとともに、ニュートン・ミリタリーシリーズで、アメリカ空軍戦闘機。F-22ラプター、F-35ライトニングⅡの翻訳本がある。

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