なぜ幻に? ソ連ヒット機後継の珍旅客機「Tu-334」とは “発展案”は超斬新だった!

旧ソ連・ロシアのツポレフで、初飛行に成功したものの実用化には至らなかったモデルが「Tu-334」です。実はかなり斬新なコンセプトを持つこの機、どのような旅客機だったのでしょうか。

Tu-334、どんなコンセプトだったのか

 ツポレフTu-334は、先発として一般的なジェット旅客機に採用されている「ターボファン・エンジン」を搭載したものをデビューさせ、そのあと「プロップファン・エンジン」を搭載するタイプをデビューさせる計画でした。

 プロップファン・エンジンは、現代のプロペラ旅客機で一般的な「ターボプロップ・エンジン」の発展型で、同軸でつながった二重のプロペラが、相互に逆方向にまわる「二重反転プロペラ」を備えたもの。ターボプロップ(プロペラ旅客機)より高速飛行が可能で、ターボ・ファン(ジェット旅客機)より燃費効率が良いとして、一時期旅客機にも採用すべく研究が進んでいました。ちなみに、プロップファンバージョンのTu-334は、実際に飛ぶことはありませんでしたが、エンジン選定まで完了しています。

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ツポレフTu-95MSM改良型。プロップファンエンジンを搭載している(画像:UAC Russia)。

 Tu-334はソ連からロシアへ体制が移行する混乱の時期に制作が進められたため、開発まで時間を要しました。初飛行は1999(平成11)年2月に成功、その後、ロシアの型式証明を2003(平成15)年に取得しました。同機は7社から確定注文を経ており、一時は、約100の航空会社が同機の導入を検討していたとも。生産開始は2009(平成21)年とされました。

 ただこのころ、ロシアの航空機メーカーに大きな転換点が訪れます。ロシアの航空機メーカーが結集し「統一航空機製造」として作られた旅客機「スホーイ・スーパージェット100」の本格的な実用化です。同機の実用化に専念するとして、2009年にTu-334のプロジェクト自体がとん挫してしまったのです。製造された2機はターボファン版で、プロップファン搭載版の実機が作られることはありませんでした。

【了】

【全貌写真】「Tu-334」をいろんな角度から!(リアジェット=スリムを覆す)

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