戦闘機なぜ複数機種運用? 米露機に加え仏「ラファール」購入するインドネシアの場合

波乱のインドネシアの戦闘機導入

 今回のインドネシアにおける「ラファール」戦闘機の導入は、インドネシア空軍が2024年を目途に進めている空軍戦力近代化の一環として位置づけられるものですが、実は、もともとインドネシアはこの戦力近代化において、ロシア製のSu-35戦闘機を11機、導入する計画を立てていました。それが今回のような運びとなったのは、これに間接的に待ったをかけた国があったからです。アメリカです。

 アメリカは、2017年に「CAATSA(アメリカの敵対者に対する制裁措置法)」を成立させ、これに基づき、ロシアを含むアメリカの敵対国と取引を行う国に対して経済制裁を課しています。これを鑑みたインドネシアは、Su-35をロシアから購入することでアメリカから経済制裁を受けることを避けるために、その導入計画を取りやめ、代わりに「ラファール」やF-15EXの導入を計画したというわけです。

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F-15EX戦闘機は複座型(画像:ボーイング)。

 ところで2022年2月現在、インドネシア空軍は戦闘機としてアメリカ製のF-16を32機、ロシア製のSu-27とSu-30を合わせて16機、運用しています。そこへ、フランス製の「ラファール」および韓国と共同開発中のKF-21が今後、加わるわけです。

 これだけ製造国も機種もバラバラの状態での戦闘機運用は、パイロットの教育や整備などさまざまな面で負担が多いと考えられます。にもかかわらず、インドネシアがこうした運用を行おうとしているのはなぜでしょうか。

インドネシアがキャンセルしたロシア製Su-35戦闘機

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