戦闘機なぜ複数機種運用? 米露機に加え仏「ラファール」購入するインドネシアの場合

日本含め、戦闘機は複数機種を同時に運用するというのがスタンダードで、それにはもちろん理由がありますが、インドネシアの場合は事情が異なります。主力機として米露機を運用する同国が仏「ラファール」を購入する背景を紐解きます。

整備や訓練の効率悪そう…なぜ複数機種を運用?

 たとえば、日本の航空自衛隊でもF-15、F-35、F-2という3機種の戦闘機を運用していますが、これは、各機種の能力に基づく役割分担に加え、このなかの1機種がなんらかの理由で飛行停止に陥ってしまったとしても、そのほかの機種によって日本の防空をカバーできるという理由によるものと考えられます。

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インドネシア空軍のF-16戦闘機(画像:アメリカ空軍/ロッキード・マーチン)。

 インドネシアの場合はその事情が大きく異なります。もともと、インドネシア空軍はF-5やF-16など、アメリカ製の戦闘機を数多く運用していました。ところが1999(平成11)年に、当時インドネシアが占領していた東ティモールでの深刻な人権侵害を理由にアメリカが経済制裁を実施したことで、部品の供給などが停止され、それら戦闘機の運用が滞ってしまったのです。そこでインドネシアは、将来的にこうした経済制裁による戦闘機運用への影響を抑えるために、複数の国から戦闘機を導入しているというわけです。

 現在インドネシアは、東南アジアにおいて影響力を強める中国とのあいだで対立を強めつつあります。そこで、同じく中国の動きを警戒するフランスから戦闘機を購入したというのは、今後のインド太平洋地域における安全保障を見据えるうえで、注目すべき動きといえそうです。

【了】

インドネシアがキャンセルしたロシア製Su-35戦闘機

Writer:

軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。

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