「Jaguar」はジャガー、ジャグア、ジャギュア、ヤグアル…? 兵器愛称バラバラすぎ問題

米英でも異なる「Jaguar」の発音

 興味深いのは、これらの兵器の日本語での表記。先に記したように日本語の標準和名、つまり正式な名称はジャガーとされているのに、これら兵器はすべて「ジャガー」という表記ではなく、兵器が生まれた国の母国語の発音からカタカナ表記するのが、いつの間にか慣例となっているところです。

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フランスの装甲偵察戦闘車(EBRC)「ジャグア」(画像:フランス陸軍)。

 このような配慮を行うきっかけとなったのは、筆者(白石 光:戦史研究家)の記憶では、1960年代末に登場した軽攻撃機「ジャギュア」だったように思います。

 この「ジャギュア」という発音のカタカナ表記は、イギリス英語の発音に近いもので、同機がイギリスとフランスの共同開発だったことにちなむのでしょう。一方、同じイギリス製のスポーツカーは「ジャガー」と表記しますが、これはどうも「Jaguar」の発音の古いカタカナ表記のようです。

 ちなみに、アメリカ英語では「ジャグァー」のような発音となります。とはいえ、グラマンが開発した世界初の実用可変翼戦闘機XF10Fの愛称も「Jaguar」ですが、これは「ジャガー」と表記されることが多いです。

 そういえば同じ「Jaguar」でも、ドイツ語読みを日本でカタカナ表記した場合は「ヤグアル」とされています。ただ筆者が思うに、音的には「ヤグァ」のほうが近いように感じます。

【全部Jaguar!】同じ愛称ながらカタカナ表記が違う兵器たち

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