なぜ東武デラックスロマンスカーは「最も豪華な私鉄特急」か 施設とサービスの“国鉄キラー”

「マジックドア」とは

 ただ、この151系ですら2等車のシートピッチは910mmで、リクライニングしない回転式クロスシートでした。1等車でようやくシートピッチ1160mmの回転式リクライニングシートです。一方の「デラックスロマンスカー」は、この広いシートピッチが全車両に備わっており、全車両ハイグレードな点は近鉄特急「しまかぜ」に通じるものがあります。筆者(安藤昌季:乗りものライター)は、国鉄特急のグリーン車も「デラックスロマンスカー」も現役時代に乗車していますが、どちらも素晴らしい座り心地だと感じました。

「デラックスロマンスカー」の豪華さはそれだけではありません。貫通路に日本の鉄道車両で初となる自動ドアが採用され、これは「マジックドア」と呼ばれました。国鉄が車内に自動ドアを導入するのは、1964(昭和39)年の0系新幹線からでしたから、当時はとても先進的な設備でした。

 さらに、4号車には「サロンルーム」がありました。この空間は8脚の1人がけアームチェアが置かれたフリースペースで、乗客は自由に利用できました。ここにはジュークボックスも置かれ、レコードで音楽を楽しめたのです。昼行特急における供食設備を備えない定員外フリースペースは、1989(平成元)年の485系「スーパー雷鳥」グリーン車ラウンジまで登場せず、「デラックスロマンスカー」は長く孤高の存在でした。

 ビュッフェも2号車と5号車の2か所に設置されており、東武ホテルによるシートサービスも行われていました。引退寸前の1990(平成2)年時点でも、メニューは上り列車と下り列車で異なる凝り用で、上り列車の場合は飲料がコーヒーや紅茶など9種類、酒類はビールなど7種類、軽食が「御料理弁当」など3種類。コーンスープやおでんも提供されていました。

【60年前とは思えない豪華さ!】「デラックスロマンスカー」の車内を見る

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コメント

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1件のコメント

  1. DCR(デラックスロマンスカー略称)というと、試運転中にレコードの針が飛んだ話が有名ですかね、
    乗りものとは全く関係ないですが、清流レストランの画像に写っているカリタ ハイカットミル(黒)、後継発売され廃盤になっているため今では台数減って貴重だったりします。