なぜ東武デラックスロマンスカーは「最も豪華な私鉄特急」か 施設とサービスの“国鉄キラー”

「リバティ」を上回る性能!

「デラックスロマンスカー」は、日光が世界的な観光地であることから、車内設備に「外国人観光客に好まれる優れた居住性」を追求しました。その様相は先述の通りですが、車両性能面では「軽量構造の全電動車で加減速力を大きくする」ことを重視しました。

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「デラックスロマンスカーカラー」となった東武100系「スペーシア」(2021年12月、伊藤真悟撮影)。

 設計最高速度165km/h(営業運転での最高速度は110km/h)、起動加速度2.3km/h/sは、「リバティ」に使われる最新の東武500系電車(設計最高速度130km/h、起動加速度2.23km/h/s)をも上回るもので、東武が対国鉄を多分に意識していたことが伺えます。

「デラックスロマンスカー」は大好評で、国鉄の準急を圧倒します。既存の1700系も、1971(昭和46)年より「デラックスロマンスカー」の1720系と同じ車体・台車に変更し、性能やサービス面を合わせたほどでした。

 1720系(1700系を含む)は、1990(平成2)年に後継車両の100系電車「スペーシア」が登場したことで置き換えの対象となり、1991(平成3)年に全車両が引退しました。台車、主電動機、座席(現在は交換済み)などは200系電車に流用され、現在も特急「りょうもう」として走っています。

 なお2021年12月、100系が「デラックスロマンスカーカラー」に変更されました。N100系が登場する前に、この色の「スペーシア」で往時を偲ぶのも楽しそうです。

【了】

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Writer: 安藤昌季(乗りものライター)

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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コメント

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1件のコメント

  1. DCR(デラックスロマンスカー略称)というと、試運転中にレコードの針が飛んだ話が有名ですかね、
    乗りものとは全く関係ないですが、清流レストランの画像に写っているカリタ ハイカットミル(黒)、後継発売され廃盤になっているため今では台数減って貴重だったりします。