日本最北の長距離路線バス「天北宗谷岬線」に乗った 171kmの鉄道代替バス 寂しき現状

「新しい運行体系」で分断は決定的

 その新しい運行体系とは、稚内~浜頓別間を既存の路線バスとして運行を続ける一方で、浜頓別~音威子府間はデマンド型交通と高校通学用バスへ移行するというもの。このうち、稚内~鬼志別間は地域間幹線系統路線として、鬼志別~浜頓別間は市町村単独補助路線として運行する予定です。

 一部区間の他交通手段への移行については、一度検討されたことがありました。この時は、2016(平成28)年10月を目途に中頓別~音威子府間を乗合タクシーへ移行するというものでしたが、運行経費など課題があり、移行を断念したという経緯があります。今回は、コロナ禍による影響もあったことから、浜頓別~音威子府間のデマンド型交通・高校通学用バスへの移行は計画通りに進められそうです。

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表示される行先と経由地が旅情を誘う(須田浩司撮影)。

 運行距離約171kmの日本屈指長距離路線バス「天北宗谷岬線」。稚内~音威子府の全区間を路線バスで乗り通すのであれば、本当にいまのうちです。

【了】

【171km・4時間46分】車窓が素晴らしい「天北宗谷線」の旅 写真で見る(全60枚)

Writer: 須田浩司

自称「高速バスアドバイザー」。運行管理者資格所有。高速バス乗車1100回以上。 紙原稿・ネット原稿・同人誌・ブログなどを通じてバス・鉄道を中心とした 「乗りもの旅」の素晴らしさを伝える活動を行う。北海道在住。

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コメント

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1件のコメント

  1. 天北線、懐かしいなあ。半世紀ほど前、初めて天北線に乗ったとき、駅間距離がすごく長かったことを思い出します。また、なの度目かの冬、浜頓別から公賓北線に乗り換えて、興浜北線からバス、興浜南線と乗り継いで中湧別、網走までオホーツク沿いに、冬の北海道を満喫したことや、浜頓別の商人宿のような旅館で出たカニがすこぶるおいしかったことなど、この記事のおかげで思い出しています。