グリーン車はなぜ「グリーン」なのか 諸説ある色の由来
JR中央線快速に導入されるグリーン車がお目見えし、グリーン車そのものへ注目が集まっていますが、そもそもなぜ「グリーン」なのでしょうか。かつて、列車は車両ごとに“等級”が分かれていました。
グリーン車の由来、諸説アリ
2022年7月、JR中央線快速に導入されるグリーン車が、工場に姿を現しました。これがSNS上で話題になり、「グリーン車」が一時、Twitterのトレンドにもなったほど。ところで、グリーン車はなぜ「グリーン」なのでしょうか。
由来は諸説あるものの、有力なのは、かつての一等車の車体側面に引かれていた淡い緑色の帯にちなむというものです。国鉄は1969(昭和44)年5月まで、車両に等級を設けていましたが、これを廃止し、グリーン車と普通車に区分し直したのです。
ただ、「一等車」の概念が時代により異なる点は注意が必要です。1960(昭和35)年代以前の国鉄の列車は3等級制でしたが、もともと一等車は、展望デッキ付きの車両など限られた人に向けた豪華車両であり、当時は実質的に連結されていませんでした。そこで、それまでの三等車を二等車に、二等車を一等車にする形で2等級制に改めました。したがって現在のグリーン車は、3等級制時代の二等車に相当するといえます。
由来はほかにも、急行列車の「特別二等車」において指定席と自由席を区別するために、1958(昭和33)年から指定席のヘッドレストに淡い青緑色のカバーが被せられたから、という説も存在します。また、東海道新幹線50周年を記念したJR東海の特設ウェブサイトには、一等車のきっぷが緑色だったから、という説も紹介されていました。
かつて国鉄では、車両の等級によって運賃そのものも異なっていました。グリーン車の導入時、運賃もあわせて改定され、車両のグレードを問わず一律運賃となり、グリーン車の利用には別途「グリーン料金」を徴収する現行の形になったのです。
2022年現在、JR九州の在来線特急における「DXグリーン」や、東北・北海道・北陸新幹線の「グランクラス」など、グリーン車よりもさらに上質の設備やサービスを提供する列車も運行されています。これらは、3等級制時代の一等車の豪華さにやや近づいた、といえるかもしれません。
【了】
普通車に対してグリーン車は特別車と呼ばれる、昔、三等級制だった頃、一等は白帯、二等は青帯
三等は赤帯を巻いていたが、いつの頃か両数の多い三等の赤帯は省略されるようになり、帯は一等、二等のみに残った。三等が赤帯を巻いていたころに出来た一・二等特急は「富士」の愛称が。三等特急は「桜」の愛称が付いた。青い山肌に白い雪を抱く富士が一・二等特急の愛称に。ピンクの花をつける桜が三等特急と言うのはまさにそのものズバリだった。戦後、帯が復活した二等車は青ではなく、薄緑の帯を付けて登場。これが緑帯の発祥である。その後、旧一等車は廃止、旧二等車が一等・旧三等車が二等と改められたが、この時点で一等車(旧二等車)に巻かれていた帯は薄緑である。その後、時代が下って運賃が二等基準のモノクラスになった時に特別車に付いた愛称が帯になぞらえた「グリーン車」で、クローバーのマークはこの時制定された。