凝りに凝ってる100年前の鉄道高架 万世橋付近の中央線 レンガ高架橋の形状が違うワケ

旧交通博物館があったJR中央線 旧万世橋付近の高架橋は、日本の高架鉄道の黎明期に建てられたもの。前後の区間は短い距離で高架構造にも違いが見られ、随所に当時の“美学”も宿り、その歴史を今に伝えています。

よく見ると異なる高架橋のアーチ構造

 交通博物館内には、ジュース売り場へ登る古ぼけた階段がありました。それはかつて、万世橋駅時代にホームへ上がる階段として使われていたものですが、用途は違えど80年以上現役だったというのは驚きです。

 交通博物館の閉館後、周辺には新しいビルや商業施設が開業しましたが、2009年当時の写真と変わらない光景もあります。御茶ノ水~神田間の高架橋です。御茶ノ水~旧万世橋間は1912(明治45)年、万世橋~神田間(正確には東京まで)は1919(大正8)年に開通し、外観は重厚なレンガアーチ高架橋です。私が撮影したカットでは、これら高架橋のディティールが捉えられていました。

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日本最古の高架橋である紅梅河岸高架橋。右端に写る鉄橋は1909年ドイツ・ハーコート社製である(2009年3月、吉永陽一撮影)。

 両区間ともレンガアーチですが、厳密には構造が異なります。先に開通した御茶ノ水~万世橋間はレンガを積みあげて建設されたのに対し、万世橋~神田~東京間は鉄筋コンクリート製です。外観が同じように見えるのは、先に開通したレンガアーチと景観を合わせるため、わざわざコンクリートアーチの表面にレンガタイルを貼り付けているのです。

 また御茶ノ水~万世橋間は一気に開通したのではなく、途中の昌平橋駅(万世橋駅の開業に伴い廃止)までが1908(明治41)年に部分開通しています。レンガアーチ高架橋には「紅梅河岸高架橋」という名称があり、国内に現存する最古の高架橋です。意匠も凝っており、古典的な西洋建築を模したメダリオンの装飾、バルコニーを連想する欄干、上部に施された歯飾り(デンティル)などの数々が散りばめられており、重厚感の中に華麗さを感じさせます。

【写真】レンガ造りの高架橋を渡るJR中央線201系 在りし日の「交通博物館」も

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