日本が持てる/持てない兵器の境界線は? 専守防衛と「スタンド・オフ・ミサイル」

「スタンド・オフ・ミサイル」は攻撃的兵器になるの?

 12式地対艦誘導弾能力向上型については、日本政府が正式な見解を表明しています。これによると、攻撃的兵器については憲法上その保有が禁じられているとしたうえで、「一層厳しさを増す安全保障環境を踏まえ、諸外国の航空能力の進展が著しい中、我が国防衛に当たる自衛隊機が相手の脅威の圏外から対処できるようにすることで、自衛隊員の安全を確保しつつ、我が国を有効に防衛するために導入するものであり、あくまでも、専守防衛の下、国民の生命・財産と領土・領海・領空を守り抜くため、自衛隊の装備の質的向上を図る観点から導入するものであることから、これを保有することは、自衛のための必要最小限度の実力を超えるものではない」(衆議院議員宮川伸君提出長距離巡航ミサイルに関する再質問に対する答弁書)としています。

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12式地対艦誘導弾の射撃の様子(画像:アメリカ海軍)。

 つまり、「相手国の国土の壊滅的な破壊」ではなく、あくまでも敵の脅威圏外からこれを攻撃し、自衛隊がより安全に日本の防衛にあたることができるようにするためのものであるため、これは攻撃的兵器にはあたらないと整理されるわけです。

【画像】弾道ミサイルとはひと味違う「島しょ防衛用高速滑空弾」の運用イメージ

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