日本が持てる/持てない兵器の境界線は? 専守防衛と「スタンド・オフ・ミサイル」

日本が旨とする「専守防衛」において、持てる兵器と持てない兵器のラインはどこにあるのでしょうか。予算に計上され話題となっているミサイルなどを例に、その境界線について解説します。

島しょ防衛用高速滑空弾は射程次第?

 一方で、島しょ防衛用高速滑空弾についてはどうでしょう。この兵器は、ブースターによってある程度の高度まで到達したところで分離された弾頭が、大気圏内を滑空しながら飛翔して目標に命中するというもので、従来の弾道ミサイル(飛翔の大半が放物線状の軌道を描くミサイル)と比較すると、飛翔高度が低いことや弾頭の軌道が変化するなど、さまざまな違いがあります。

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長射程誘導弾各種の、飛翔高度と射程のイメージ(画像:防衛装備庁)。

 しかし、仮にこれを弾道ミサイルと同様に扱うとなると、その射程によっては攻撃的兵器に分類される可能性が出てきます。たとえば、その射程がICBM(5500km以上)に匹敵する場合には攻撃的兵器とされる可能性がありますし、それ以下の場合でも、過去の日本政府による国会答弁では中距離弾道ミサイル(IRBM、射程3300kmから5500km)も攻撃的兵器に含まれるとされています。つまり、少なくとも射程3300kmを超える場合には、島しょ防衛用高速滑空弾も攻撃的兵器に分類される可能性はあります。

 ただし、現在のところ島しょ防衛用高速滑空弾の射程は数百kmと想定されており、この程度であれば攻撃型兵器に分類される可能性はありません。あるいは、これを弾道ミサイルとは区別される兵器として日本政府が分類をすれば、射程に基づいてこれが攻撃的兵器に分類されることはなくなる可能性もあります。

【画像】弾道ミサイルとはひと味違う「島しょ防衛用高速滑空弾」の運用イメージ

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