空自の最新戦闘機F-35が本気出してきた? 米製最新武器もズラリ展示 圧巻の三沢航空祭

バラエティ豊富な爆弾使って対地攻撃も

「ペーブウェイII」は目標に照射したレーザーの反射波を辿って目標に命中する誘導爆弾で、その最初のモデルは1960年代のベトナム戦争から使われている実績ある対地攻撃武器です。このようにレーザー誘導式は古くからある誘導方法ですが、レーザーによって数メートル単位の精度でピンポイントに目標を狙うことができるため、精密誘導兵器の代表格として、今でもその派生型が使われ続けています。

「JDAM」と「SDB-1」は、カーナビやスマートフォンなどで使われているGPSを誘導方式として使用する対地攻撃装備です。誘導装置は目標と自身の位置をGPSで判断し、落下経路は慣性航法装置を使って判断して目標に命中させます。この組み合わせは我々が日頃から使っているスマートフォンの地図アプリと同じです。

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2022年9月11日に開催された三沢基地航空祭で展示されたF-35A戦闘機用の各種武装(布留川 司撮影)。

「JDAM」は2065ポンド(930kg)の大型弾頭で車両だけでなく建物などの大型目標の攻撃が可能。一方の「SDB-1」の重量は270ポンド(122kg)と、「JDAM」と比べると十分の一程度の重量ですが、大きさも半分以下のため、数多く積めるのが特徴です。専用のラックを使えばF-35A戦闘機の胴体内部に設けられたウェポンベイに最大8発まで搭載が可能。両者は同じ誘導方式ですが、強力な一撃の「JDAM」か、手数を増やして複数の目標を攻撃する「SDB-1」かで使い分けることが可能といえるでしょう。

 これら武装は、航空自衛隊にとってはF-35Aの運用開始に合わせて導入した「初モノ」ばかりです。それぞれの性能の高さもさることながら、それがF-35Aと一緒に展示されたことの意味は非常に重要だと筆者は考えます。というのも、戦闘機は単体では防衛力として意味をなさないからです。高性能な武器と組み合わせることで初めて所要の能力を発揮するのです。

 展示されていたのは実弾ではなく、訓練などに使うイナート弾(弾頭や推進剤が未装填の訓練弾)でしたが、傍らに立つ隊員たちの説明によれば、これらを使った訓練は日常的に行われているとのこと。三沢基地のF-35Aはただ飛ぶだけでなく、実際に兵器を積んで防衛力として活動していることを伺わせるハナシを聞くことができました。

 航空自衛隊のF-35Aは3年前とは明らかに異なるフェーズに移行しているといえるでしょう。三沢基地のF-35飛行隊が日本の空の防衛に直接関わるようになるのも、そう遠くないのかもしれません。

【了】

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Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

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