現代戦車なぜ「主力」ばかり? 軽中重に巡航等色々あった戦車の種類が収斂した理由

巡航戦車と歩兵戦車のいいとこ取りをすればいい戦車ができる!

 アメリカ製戦車で穴を埋めつつも、イギリス陸軍は優秀な次期国産戦車を開発するため、ロールス・ロイス製の「ミーティア」という、航空機用の「マーリン」エンジンを元に開発した高出力エンジンを戦車に搭載します。最初にクロムウェル巡航戦車へ搭載されたこのエンジンは、それまでイギリス戦車が搭載していたエンジンの倍以上、出力があり、重装甲、重火力、高機動性という巡航戦車と歩兵戦車の特性を両立しうるものでした。

 こうして、これまで各種の戦車が分担していたあらゆる任務の兼務を理想とした万能戦車の開発が始まります。その目標が形となったのは、1945(昭和20)年4月に登場した、主力戦車の元祖ともいわれる「センチュリオン」です。

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主力戦車の元祖ともいわれる「センチュリオン」戦車(画像:帝国戦争博物館/IWM)。

 同戦車は17ポンド砲を搭載し、当時の難敵だったドイツのティーガーI重戦車と撃ち合える火力を有すると共に、厚い装甲と高い機動性を持っていました。第2次世界大戦には実戦投入されないまま終戦を迎えましたが、その後の朝鮮戦争、中東戦争、印パ紛争などでその高い性能を示すこととなります。

 この「センチュリオン」と同じように戦後、中戦車などを発展させる形で様々な任務をこなせるように開発された戦車を、第1世代主力戦車と呼びます。

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