ドイツ戦闘機からコンニチワ! 日独制服トップが戦闘機で行った“空の会談” その意義

日独両制服トップが行った空でのランデブー

 説明によると、ドイツ空軍の編隊はシンガポールを出発し、約8時間をかけ日本の百里基地まで飛んできたとのこと。その間、空中給油も複数回行ったそうで、けっこう困難なものだったといいます。

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航空自衛隊百里基地のエプロンで整列した日独両戦闘機と隊員たち(画像:航空自衛隊)。

 到着後、百里基地で行われたインタビューで、空軍総監ゲルハルツ中将は次のように語っています。

「今回の日本への飛行はパイロットや整備士にとってもチャレンジングなものでした。私が実際に操縦することを決めたのも、そのチームに自らが加わることこそが重要だと考えたからです。ドイツ空軍の中将として、この『エア・アンバサダー』なる機体を操って来日できたことは、日本や航空自衛隊、および井筒空将に対して、ドイツが日本との関係を重要視していることを表す証でもあります」。

 ゲルハルツ中将が名前を挙げた井筒空将とは、航空自衛隊トップの井筒俊司航空幕僚長のこと。実は、両氏の交流は今回の来日が初めてではありませんでした。ふたりは昨年11月にUAE(アラブ首長国連邦)で開催されたドバイ・エアショーで初の2者懇談を実施しており、以降もイギリスで開催された国際航空宇宙軍参謀長等会議やオーストラリアでの多国間共同演習「ピッチ・ブラック2022」などの場で直接会談を重ねてきた経緯があります。

 こうした積み重ねがあったからこそ、今回のドイツ空軍初飛来ではゲルハルツ中将自らユーロファイター戦闘機に乗って来日したともいえるでしょう。なお、ドイツ空軍機が日本に近づくと、井筒空将も複座型であるF-2B戦闘機の後席に搭乗して迎えにいっています。こうして、ドイツ空軍トップが操縦するユーロファイターと、航空自衛隊トップが搭乗するF-2は日本上空で相対する形となり、ある意味で異例の戦闘機に乗務したトップ同士の「空での会談」となりました。

【写真】富士山バックに飛ぶ日独の戦闘機ほか

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