ドイツ戦闘機からコンニチワ! 日独制服トップが戦闘機で行った“空の会談” その意義

一緒にランニング、お土産は自ら作ったスケールモデル

 日独双方の戦闘機は、日本の空で合同の編隊航法訓練を実施すると、今度はゲルハルツ中将と井筒空将が直接、無線交信も行っており、ドイツ語で語りかける井筒空将に対して、ゲルハルツ中将は「こんにちは」と日本語で返事。その模様を納めた動画はドイツ空軍によってSNSで拡散されて話題にもなったほど。

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防衛省で握手を交わすドイツ空軍総監ゲルハルツ中将と井筒航空幕僚長(画像:航空自衛隊)。

 また、ふたりは翌日、都内の防衛省に移動して記者会見や懇談などを行いましたが、その後、一緒に皇居周辺をランニングしており、ギフト交換では井筒空将自身が製作したユーロファイターとF-2の模型をゲルハルツ中将に手渡しています。これらは、ふたりの交友関係の深さを示すひとつの指標といえるでしょう。

 ただゲルハルツ中将と井筒空将の関係は個人的なものではなく、ドイツ空軍と航空自衛隊の交流の上に成り立っているものであり、さらに言えばドイツと日本の外交方針や、近年の国際的な枠組みによる安全保障政策の結果ともいえます。防衛省での共同記者会見では、今後の具体的な事象についての明言は避けつつも、これまで同様の血の通った日独の交友は継続すると明言しています。

 ドイツ空軍と航空自衛隊の両トップが行った今回の交流は、日独の外交・安全保障に関する将来への一助となることは間違いなさそうです。

【了】

【写真】富士山バックに飛ぶ日独の戦闘機ほか

Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

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