海外からの入国方法が11月から「アプリ→WEB」に 新旧両方を体験 使い勝手はどう変化? 新機能も追加
「Visit Japan Web」、実はほぼ「My SOS」? 新機能は課題アリか
「Visit Japan Web」では、最初にアカウント登録をする必要があります。パスポート情報、住所などを入力してアカウントを登録した後、帰国予定情報を入力し「ファストトラック」の手続きに入ります。この登録方法や操作、ユーザインターフェースなどは旧「My SOS」アプリとほとんど同じです。2枚の書類(パスポート・ワクチン接種証明)を撮影・アップしたのち、都度、しばらく待機の時間ができるのも一緒です。
ただ「Visit Japan Web」は、使用者側から見ると、アカウントの登録作業が増えた分だけ、以前よりは手間を要するものとなっています。その一方で、頻繁に海外渡航する人にとっては、旧アプリだと帰国のたびに都度QRコードでアプリを落とさなければならなかったのが、アカウントを用いて旅程ごとに個別管理ができるようになりました。
「Visit Japan Web」を用いての入国は前出した成田のケースとほぼ同じです。羽田では、最初にウェブ上の「ファストトラック」完了画面を職員に見せると、青いカードがもらえます。羽田の到着導線は、コロナ禍前とほとんど変わりませんでしたが、数10メートルおきに職員が立っており、都度このカードを見せながら到着導線を進みます。
ちなみに、かつて入国後の抗原検査が実施されていたところはガラリとしています。最後にQRコードの読み取りを行い入国。降機から入国までの所要時間は11分と、駐機場がターミナルの端の方だったわりには、時間的には、かなりスムーズな入国といえそうです。
一方、「Visit Japan Web」のリニューアルで新たに追加された「税関」のオンライン申し込みについては、手書きのものよりアカウント情報(名前やパスポート情報、住所など)が反映されるので、登録自体は手書きより簡単にできます。
ただし、空港での税関手続き時にパスポートや登録可否を照合するQRコードを読み取ったのち、顔写真を撮影する必要があります。そのため現在のところ、従来の紙での申告と比べると「Visit Japan Web」での手続きは時間がかかってしまうようで、後者で手続きしたグループの方が数分遅く出てくるような状況でした。
このように11月から大きく変わった日本の入国方法ですが、依然としてスマートフォンが必須であることに変わりはありません。基本的な違いはアプリかウェブかといったところで、大きく使い勝手の変化や使いやすさの向上は見られませんでした。「ファストトラック」の受付締め切り時間も、到着6時間前までと、従来と同じです。
ダウンロードが必要な代わりにすぐに情報を呼び出しやすく、入力事項も少ない旧アプリか、ダウンロード不要でやれることが増えた代わりに、複数のタブを開いている場合に情報を探しづらく、入力事項も増えた新ウェブサイトか――どちらが良いかは「人それぞれ」といえそうです。
【了】
Writer: 松 稔生(航空ライター)
国内航空会社を中心に取材を続け、国内・海外を奔走する日々を送る。ゆとり世代。
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