ココが横浜!? 駅前“虚無”の相鉄線「ゆめが丘」大型開発スタート 都心直通で大化けなるか
直通列車はいずみ野線まで来る?
最新の中期経営計画(2022~2026年度)ではややトーンダウンし、「ゆめが丘土地区画整理事業」「大規模集客施設開発」「ゆめが丘分譲マンション開発」からなる現実的な「ゆめが丘地区再開発事業」となっています。
もうひとつ、相鉄にとって社運を賭けた一大事業が新横浜線の建設です。2019年11月にJR埼京線との直通運転を開始、2023年3月には東急線を介して地下鉄南北線、三田線、副都心線への直通運転を開始する予定です。
現在、JR直通列車は全て相鉄本線(海老名駅始発)からの設定ですが、東急直通列車は1月27日に発表された運行形態概要によると、直通先として相鉄本線といずみ野線の両方が挙げられています。
現在の朝ラッシュ時ダイヤでは、いずみ野線の「通勤急行」はゆめが丘から二俣川まで17分で結んでいます。先述の運行形態概要では二俣川~目黒間が約38分とのことなので、ゆめが丘から目黒まで1時間弱で到達する計算です。
都心から1時間弱の所要時間は、東武スカイツリーライン(急行)では久喜、東上線(急行)では森林公園、小田急線(快速急行)では本厚木に相当しますので、通勤圏としては十分成立するでしょう。しかしこれらは、いずれも始発列車が設定されている駅です。ゆめが丘は始発駅湘南台の隣駅ですが、列車によっては座れることもあるものの、通勤急行の座席はさすがに埋まっているでしょうか。もし着席通勤ができるようになれば、都心へ乗り換えなしの新たな住宅地として人気が出るかもしれません。
【了】
※一部修正しました(11月24日16時30分)。
Writer: 枝久保達也(鉄道ライター・都市交通史研究家)
1982年、埼玉県生まれ。東京地下鉄(東京メトロ)で広報、マーケティング・リサーチ業務などを担当し、2017年に退職。鉄道ジャーナリストとして執筆活動とメディア対応を行う傍ら、都市交通史研究家として首都圏を中心とした鉄道史を研究する。著書『戦時下の地下鉄 新橋駅幻のホームと帝都高速度交通営団』(2021年 青弓社)で第47回交通図書賞歴史部門受賞。Twitter:@semakixxx
相鉄は街づくりのセンスないからな…どうなることやら