「ショック受けた」 “乗客とよく話す社長”ANA井上氏が振り返る「コロナ禍での国内旅行」 旅行支援の影響は?

「旅行支援」井上社長が旅客から聞いた意見&その受け止め

 また、井上社長は「とくに東京都では、旅行支援を待っていたという声が多く聞かれた」と話します。その要因のひとつについて全国旅行支援が開始された後の、旅客との対話を思い出しながら、次のように語りました。

「お客様は鹿児島や北海道、沖縄など遠距離に行っていいんだという思いを持たれたそうなんです。というのも、地方の方が東京のお客さんの受け入れをこう(ストップをするジェスチャー)したことがありましたよね。そのことから、無意識からもしれませんが、東京の方の心理的な圧迫要因になってようで、『行ってはいけないんじゃないか』とぼんやりした思いがあったみたいなんです。これが霧が晴れたように『行っていいいんだ、お墨付きを得た』という声をいただきました」

 今後の国内旅行の見通しについて井上社長は、「国内需要はどうやったら感染しないかというのを学んで、実践されています。航空会社だけではなく電車やバス、ホテルなど各業界もそれぞれが感染対策をして、“バブル”のような状況になっているなか、さらに自衛をすることで安全に旅行できるという認識が広がっていると感じます。現在ホテルの方に伺うとリピートされるお客様が増えているそうで、(需要の完全回復は)もう一息だと思います」と話します。

【了】

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Writer: 松 稔生(航空ライター)

国内航空会社を中心に取材を続け、国内・海外を奔走する日々を送る。ゆとり世代。

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