キャラ立ちまくり観光列車「時代の夜明けのものがたり」に乗る 中は“宇宙船”そのワケは
おもてなしの熱意 名古屋から通い詰める人も
出発後は料理が振舞われますが、美しい料理に目をやる暇がないほどの「おもてなし密度」です。多くの観光列車では沿線の人たちが手を振ってくれますが、「時代の夜明けのものがたり」では列車を追いかけ、全力のおもてなしを受けます。筆者はその熱意に感動しました。同乗した別の乗客に話を聞いたところ、「このおもてなしが好きで、名古屋から年間十数回乗っています」という方までいらっしゃいました。
中でも須崎駅(高知県須崎市)での「おもてなし」は度胆を抜かれました。沿線の人々がホームで合唱するところから始まり、乗客も交えたダンスに発展。にこやかで賑やかな停車の後は、船のような銅鑼の音で出発時刻が告知されます。これはJR四国の半井会長が発案したそうで、「列車を船に見立てているなら、銅鑼だろう」と導入したとのこと。
アニメ『竜とそばかすの姫』の舞台にもなった伊野駅(高知県いの町)では、列車交換のため長時間停車。特別な駅名標や駅舎内でのアニメ解説も楽しめました。
車窓も、雄大な太平洋や日本的な田園風景などが美しく、2時間の乗車時間はとても短く感じられました。全国でもトップクラスに“キャラクターが立っている”観光列車「時代の夜明けのものがたり」、一見の価値ありでしょう。
【了】
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロ イラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
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