『トップガン』で描かれたF-14戦闘機の“弱点”とは 映画じゃスリリング 現実は深刻 どう解決?

飛行特性の改善を目当てに生まれた“激レア” F-14

『トップガン』に登場するF-14「トムキャット」は初期型、すなわちA型でしたが、このモデルが搭載していたエンジン、TF-30ターボファン・エンジンはコンプレッサーストールが起きやすいという欠点を抱えていました。

 これはTF-30を最初に搭載したF-111戦闘爆撃機で、すでに判明していたことですが、F-14は当初TF-30よりさらに強力な新型エンジン、F401を開発して搭載することを計画していました。

 そのため、F-14Aの初飛行に遅れること3年、1973(昭和48)年には新型F-401エンジンを搭載したF-14Bも初飛行しています。しかし、コストと信頼性の問題で新型F401の採用は見送られてしまい、その結果、TF-30エンジンが使い続けられることになります。

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エアショーでデモ飛行を行うアメリカ海軍のF-14A「トムキャット」(細谷泰正撮影)。

 加えてF-14「トムキャット」は、エンジンだけでなく機体そのものの空力特性でも弱点を抱えていました。それは気流に対する迎角が大きいときに方向安定性が不足してスピンに入りやすいことでした。これにはF-14の特徴のひとつでもあるVG(可変)翼特有の事情も関係していました。VG翼機ではロール操縦を行う補助翼を使うことができないため、スポイラーと水平尾翼の差動でロール制御を行っています。

 この制御系統に原因が包蔵されていたのです。高迎え角時の操縦性とスピン回復の問題を解決するため、機体メーカーのグラマンと海軍、NASA(アメリカ航空宇宙局)が共同で研究を行うことになりました。試験機として海軍が提供したF-14には油圧で開閉作動する小型のカナード(前翼)が機首に取り付けられ、スピンからの回復に失敗した場合に備えて非常用のパラシュートを尾部に装備していました。

 機内にはエンジン停止時に備えてバッテリーで動作する制御系を備えて飛行試験が行われました。飛行試験は、エドワーズ空軍基地の中にあるNASAドライデン飛行研究センター(現アームストロング飛行研究センター)を舞台に、1979(昭和54)年から1985(昭和60)年にかけて計212回、行われています。

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コメント

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1件のコメント

  1. トップガンはもちろんですが、ミッキー・サイモンの影響もあると思います。少なくとも自分はミッキー・サイモンの影響で、ファンになりましたよ。