新潟生まれ 陸上自衛隊の「雪上車」どれだけスゴイ? 雪大国ニッポンで70年のノウハウ

自衛隊は、大雪でトラックなどが動けない場合に備えて、複数の雪上車を保有しています。ただ、これらは普段は表に出ることが少ないため、あまり馴染みがありません。民間とは異なる自衛隊ならではの雪上車を見てみます。

2人しか乗れない「軽雪上車」何に使う?

 10式雪上車は変速装置がオートマチックになっているほか、車体の向きを変える操向装置もハンドル式のため、大幅に運転しやすくなっています。一方、78式雪上車はマニュアルで、なおかつ操向は2本のレバーを巧みに操って操舵する必要があり、運転には相応の技術を要しました。

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冬季訓練で用いられる軽雪上車(画像:陸上自衛隊)。

 このほかにも、フロントガラスが大きくなり、視界が圧倒的に広くなったほか、民生品の流用によってコストダウンも図られているといいます。

 これらの理由から、10式雪上車は78式雪上車に比べて大幅に使い勝手が向上しており、現場でも評判は上々のようです。ちなみに10式は78式と比べて乗員数は減っているものの、最大積載量は変わらず1.0tをキープしているため、重量物の積載や牽引などでは78式雪上車と同じように使うことが可能です。

 これとは別に、陸上自衛隊では「軽雪上車」という2人乗りの雪上車も調達・運用しています。要はスノーモービルで、オートバイの代わりとして雪中の連絡や偵察、軽輸送などに用います。

 ちなみに、民間の雪上車やスノーモービルは、吹雪や積雪のなかでも目立つよう、赤やオレンジなど、派手なカラーリングが施されているモノが多いです。対して、陸上自衛隊の雪上車は、敵に見つかりにくくするよう、雪中迷彩として白一色で塗られています。

 そうした雪上車は、普段あまり見かけない車両ではあるものの、積雪地ではなくてはならない装備のため、その配備エリアは広く、北海道を始めとして東北はもちろん、北陸から山陰地方までの駐屯地や部隊に広く配備されています。

 このように、警察予備隊発足当初から連綿と開発・調達されてきた自衛隊の雪上車。あまり知られていないものの、冬季の部隊活動を古くから支えてきた「陰の立役者」といえるでしょう。

【了】

【その差ダンチガイ!】78式雪上車&10式雪上車の運転席を見比べほか

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子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。

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コメント

1件のコメント

  1. 写真の空自が使っているのは海外製?なんで?仲悪いの?