戦車の先祖…なのか? 戦場よりも遊園地のほうがふさわしそうな「ボワローの機械」

意図はわかっても、なぜ具現化したのかわからないものは、歴史上ままあります。それは戦車の開発においても見られ、そして世にも珍妙な発明品がその歴史に刻まれました。戦車の先祖のひとつともいわれる「ボワローの機械」のお話。

めげないボワロー技師の挑戦は続き…

 しかしボワローは諦めませんでした。改良した車体には9tのウエイトを載せて加重し、幅8mの鉄条網を押しつぶし、幅2mの塹壕を乗り越えることに成功します。ただし速度は時速1.6kmでした。

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試験場で鉄条網の突破に挑む「ボワローの機械」(画像:Public domain、via Wikimedia Commons)。

 11月13日、軍による2回目のテストが行われましたが、ひたすら直進しかできず方向転換が問題でした。メインジャッキで全体を持ち上げ、外から手で押して回すか、機械の内側からだと小型ジャッキを使って最大45度までしか回転することしかできませんでした。果たして2回目の不合格となります。

 ボワローは不屈でした。自らの持論にこだわる気質だったのかもしれません。再設計した「ボワローの機械」2号機を製作します。写真をみると1号機よりさらに厳つく邪悪感さえ漂う、ゲームに登場する敵役のような形容しがたい巨大な自走無限軌道機械です。防弾装甲の程度やどうやって武装するつもりだったのかは、やっぱりわかりません。

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「ボワローの機械」2号機。厳つさが増している(画像:AnonymousUnknown author、Public domain、via Wikimedia Commons)。

 1916(大正5)年8月17日に砲兵隊がテストしましたが、問題だった旋回機能は多少改善されたものの回転半径は100mにもなり、速度は時速1kmとさらに低下していました。

 テストに立ち会ったフランス陸軍のアンリ・グロー将軍は8月20日にこの2号機について「平坦な地形を1500m走り、鉄道軌道を横断し、鉄条網の列を押しつぶし、幅1.5mと1.8mの塹壕、直径2mの穴を横断することができた」と述べる一方で、「非常に強力に見えたが操縦性の悪さが難点で、何より敵から攻撃されない、戦場とは程遠い条件で行われたこのテストにあまり意味はない」と結論づけています。ここで完全に見切りをつけられてしまいました。

【画像】試作1号機の走行概要図や当時の新聞報道など「ボワローの機械」をもっと知る

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