戦車の先祖…なのか? 戦場よりも遊園地のほうがふさわしそうな「ボワローの機械」

意図はわかっても、なぜ具現化したのかわからないものは、歴史上ままあります。それは戦車の開発においても見られ、そして世にも珍妙な発明品がその歴史に刻まれました。戦車の先祖のひとつともいわれる「ボワローの機械」のお話。

「ボワローの機械」はそして歴史の波間へ

 成功した世界最初の戦車であるイギリスの「マークI」開発の着手は同時期の1915年ですし、フランスでも「ボワローの機械」よりずっとましな戦車「シュナイダーCA1」が1915年5月に開発され、12月には生産が承認されています。試行錯誤の戦車黎明期とはいえ「ボワローの機械」の珍兵器っぷりは際立ちます。

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「ボワローの機械」2号機。左側の人物が設計者ルイ・ボワローとされる(画像:AnonymousUnknown author、Public domain、via Wikimedia Commons)。

 軍事史家のアンドレ・デュヴィニャック中佐は、大型草食恐竜の一種である「ディプロドクス」になぞらえて「軍用大型草食恐竜」とでもいうべき「ディプロドクス・ミリタリス」というあだ名をつけ、「あまりにも鈍重で冗談のネタにもならない」と酷評しています。

 ダメとわかりそうなのに実物が制作されてテストされてしまうこと自体、当時どれだけ塹壕戦に悩まされていたか、実用化されたばかりの内燃機関にどれだけ期待されていたか、といったことをうかがうことができるようです。改めて「マークI」戦車の登場がブレークスルーで、歴史の教科書に載るくらいのインパクトがあったことが理解できます。

「ボワローの機械」は、のちの戦車の発達にほとんど寄与しなかったといってもよいのですが、戦場ではなく遊具として遊園地に置いたら意外とウケるかもしれません。

【了】

【画像】試作1号機の走行概要図や当時の新聞報道など「ボワローの機械」をもっと知る

Writer:

1975(昭和50)年に創刊した、50年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

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