地下鉄有楽町線と直通する"第二総武線"のはずだった? JR京葉線が"東京駅発着"に至る歴史

「京葉線 都心延伸」のルートも途中変更

 国鉄が8号線乗り入れの代わりに構想していたのは、京葉線から有明付近で分岐し新橋地下駅に乗り入れる「総武開発線」と、そこからさらに都心地下を西進し、新宿を経て三鷹まで結ぶ「中央開発線」の一体的な建設でした。

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臨海部を走る京葉線の電車(乗りものニュース編集部撮影)。

 分岐線が「新橋経由」とされたのは、その頃、隣接する「汐留貨物駅」用地に総合ターミナルを建設し、「第二東海道新幹線」の始発駅とする計画があったからです。しかも東京駅周辺では鍜治橋通り地下に、成田空港直結の新幹線「成田新幹線」のターミナル整備が予定されており、国鉄新線が乗り入れるための空きスペースはありませんでした。

 ところが、汐留貨物駅再編構想は変更、第二東海道新幹線構想は見直しとなり、新橋(汐留)に駅を設置する必要がなくなりました。さらに成田新幹線構想もとん挫したことで、国鉄は京葉線延伸部について、「東京駅乗り入れ」に方針を転換。1983(昭和58)年6月22日に京葉線の計画変更と、成田新幹線の工事凍結を同時に申請しています。

 こうして1988(昭和63)年6月に有楽町線、12月に京葉線が開業し、新木場は両路線の接続駅となりました。京葉線が東京延伸する1990(平成2)年までわずか2年間でしたが、乗り換えという形ながら有楽町線が京葉線利用者の都心アクセスを担う形となりました。

 ちなみに京葉線と中央線の直通構想のみ、現在も形を変えて存在しています。交通政策審議会答申第198号は、中央線の混雑緩和や東京都西部や千葉方面のアクセス向上を目的として、京葉線を東京駅から新宿を経由して三鷹まで延伸し、中央線に乗り入れる構想を挙げています。

【了】

【全通前の京葉線と「幻の延伸計画」】

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Writer: 枝久保達也(鉄道ライター・都市交通史研究家)

1982年、埼玉県生まれ。東京地下鉄(東京メトロ)で広報、マーケティング・リサーチ業務などを担当し、2017年に退職。鉄道ジャーナリストとして執筆活動とメディア対応を行う傍ら、都市交通史研究家として首都圏を中心とした鉄道史を研究する。著書『戦時下の地下鉄 新橋駅幻のホームと帝都高速度交通営団』(2021年 青弓社)で第47回交通図書賞歴史部門受賞。Twitter:@semakixxx

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コメント

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2件のコメント

  1. 2ヶ所に出てくる「新検見川」は「検見川浜」の間違いでしょうかね。
    新検見川は総武線各駅停車の駅です。

    • ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。