課題山積! それでもウ軍にM1「エイブラムス」&「レオパルト2」が待望されたワケ

信頼と実績の「レオパルト2」が得られても残る課題アリ

「レオパルト2」も、1979(昭和54)年にドイツ連邦軍にて採用されます。1999(平成11)年に発生したコソボ紛争の後の、コソボ治安維持部隊(KFOR)にて初陣を迎えました。生産台数は約3600両で、保有国はドイツを入れて21か国に及び、攻撃力、防御力、機動力のバランスが良く使い易いといわれ、中古車市場でも人気のあるベストセラー戦車です。この「ユーザーが多いこと」は、それ自体が信頼性の証であり、加えてアフターフォローにも期待できます。

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ドイツがウクライナに供与を決めた「レオパルト2A6」(画像:synaxonag、CC BY 2.0〈https://creativecommons.org/licenses/by/2.0〉、via Wikimedia Commons)。

 一方でウクライナ軍にとっては、これまで扱っていない兵器を受け取ると、新たな兵站の負担が増します。

 供与されることになった西側主力戦車は、イギリスの「チャレンジャー2」にM1と「レオパルト2」の3種類で、主砲弾はM1とレオパルト2が120mm滑空砲弾、チャレンジャー2がライフル砲弾と異なるものです。燃料は、レオパルト2とチャレンジャー2が軽油、ガスタービン機関を使用しているM1がJP-8というジェット燃料で、M1は一応軽油も使えるとはいえ、ややこしいことになっています。

 燃費もよろしくありません。特にM1は、1km走るのに約4リットルの燃料が必要です。自動車の燃費表記にならって表すと、250m/Lとなります。湾岸戦争では、M1は1日3回の給油が必要で、戦車部隊指揮官は戦闘よりも燃料補給の作戦立案に苦労したそうです。

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