冬の守護神「ラッセル車」社員減で車掌が兼務 電気代も圧迫 鉄路守る厳しさ弘南鉄道に聞く

青森県の弘南鉄道で94歳のラッセル車が現役です。その名はキ100形。自走はせず、機関車に後押しされ走ります。ローカル線の冬は古豪の車両と、職員の絶え間ない努力で守られていました。

モーターカーとラッセル車の違いは?

 先に紹介したように、キ100形は自走できません。除雪列車を走らせるといっても、後押しの機関車運転士1名、キ100形に操作員2名の計3名が最低限必要です。現在は社員数の減少などで車掌業務と操作係を兼務して切り盛りしており、休日出勤や時間外勤務のほか職域や職責を越えてなんとか頑張っている状況です。

 一方モーターカーは、雪の寄せ集め作業がなければ最低2名で対応可能なのですが、モーターカーは車体が軽いために湿った重い雪には弱く、浮き上がってしまうのです。そこで人員が必要でもキ100形が選ばれ、しかも車体は鋼鉄仕様のため力強く、重い雪もかきあげて進むことができます。

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キ105のサイドフォルム。大きな翼が雪を寄せるウイングである。除雪時はこれが魚のエラ呼吸のように開く。許可を得て撮影(2023年1月21日、吉永陽一撮影)。

 そもそもモーターカーとラッセル車の用途は異なります。モーターカーは線路上と線路脇表面の雪を、車体にある回転式のロータリー装置で遠くへ飛ばします。道路用の除雪車にもこのタイプはメジャーですね。ただし湿った雪はロータリー装置内で詰まってしまうこともあるとか。

 ラッセル車は「ウイング」と呼ばれる翼のような板を広げ、線路上の雪を線路脇へ寄せるのが主な役割です。鋭利な形状の前部には、下側部分がせり出す「フランジャー」と呼ばれる装置があり、線路間にある雪をえぐるように掻き出すときれいに除去でき、モーターカーよりも深く除雪できます。新雪のたびに出動するモーターカーと比較して、除雪出動回数を抑えられるのです。

【写真】94歳の古豪が豪快に雪を掻く!

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