戦艦「大和」、敵艦に“主砲撃て!” 日米初のレーダー砲撃戦、 結果は?

太平洋戦争で行われるようになったレーダーによる遠距離砲撃。一般的に旧日本軍のレーダーはアメリカ軍のものよりも劣っていたといわれますが、実際はどうだったのでしょうか。日米ともにレーダー射撃を行った海戦を見てみます。

日本海軍のレーダー射撃の評価は?

 サマール沖での戦闘は、栗田艦隊の砲撃で火蓋が切られました。タフィ3との距離は約3万2000m。日本艦隊の最大射程は戦艦「大和」が4万8000m、戦艦「金剛」「榛名」は3万5400mなので、砲弾は届くものの命中弾を得るのは難しい距離でした。

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サマール沖海戦で奮闘したアメリカ海軍の駆逐艦「ヒーアマン」。マストの頂上にSCレーダー、手前の艦橋頂部にMk37射撃指揮装置を装備している(画像:アメリカ海軍)。

 本来なら駆逐艦からなる水雷戦隊を先行させ、その間に戦艦と重巡洋艦が距離を詰めて砲撃と雷撃を同時に行うのが定石です。ところが、栗田健男司令長官は戦艦へ攻撃を優先させました。

 この時、栗田艦隊が砲撃に使用したレーダー(電探)は1942(昭和17)年に採用された「対水上用22号電探」です。この電探はのちに、駆逐艦にも搭載できるよう小型化された「改二」や射撃用にも使える「改四」へと改造され、サマール沖で戦艦が搭載していたのは、故障が多かった機器を安定させ測距精度を上げた「改四」のさらなる改良型でした。完成したのは、1944(昭和19)年8月のこと。そして、レイテ沖海戦の前に各艦へと配備されました。

 レイテ湾に出撃する前、日本艦隊はシンガポール南方のリンガ泊地で電探射撃の演習をしています。「榛名」の「戦闘詳報」でその時の評価を見ると、敵味方に分かれた際、互いのレーダー波が干渉し、味方の探知を妨げて問題になったと記されています。

 一方、アメリカの護衛空母部隊「タフィ3」が使用していたのは1941(昭和16)年後半に採用された対空対水上警戒用SCレーダーの改良型と、パラボラアンテナと連動するMk37射撃指揮装置で5インチ(12.7cm)砲の射撃を行っていました。

 栗田艦隊の戦艦は10月25日午前7時前後に砲撃を開始しています。これに対し、タフィ3は煙幕を展張してスコール(急な豪雨)に身を隠しながら護衛の駆逐艦を前進させ、雷撃戦を仕掛けました。

 このサマール沖海戦で「大和」「金剛」がレーダー射撃により米艦隊に命中弾を与えたのか、現在でもはっきりしていません。

「金剛戦闘詳報」にはアメリカ艦隊のレーダー射撃についての所見が記されています。そこには「1万8000m付近で電測射撃を開始したが、米軍の砲撃は遠近がおおむね良好だが、左右に逸れる弾が多く大部分は300mほど手前に落下した。現状では我が軍と大差ないものと認める」とあります。

【写真】レーダー射撃で「大和」の弾は当たったか? 砲撃を受けるアメリカ軍艦船

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