「アピールさせてください」F-35A戦闘機アジア最大のインド航空ショーに初参加 アメリカの意図

F-35以外にも! エアロ・インディアに参加した米軍機たち

 ちなみに、アメリカ空軍ではこのような一般公開イベントにおいて、自国の戦闘機を最大限にアピールするための専門の演技部隊を用意しています。それがF-35デモンストレーションチームです。

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F-35デモンストレーションチームによるデモ飛行。飛行内容は戦闘機としての機体性能を発揮したアクロバット飛行が主体(画像:アメリカ空軍)。

 アメリカ空軍では、運用する軍用機ごとに専属のデモンストレーションチームを組織しており、F-35以外にも、F-22「ラプター」戦闘機、F-16「ファイティング・ファルコン」戦闘機、A-10C「サンダーボルトII」攻撃機、C-17「グローブマスターIII」輸送機などが存在します。

 特にF-16の場合はアメリカ本土のチームとは別に、三沢基地に太平洋空軍(PACAF)所属のデモチーム「PACAF F-16 Demo Team」が所在しています。このチームは日本の航空祭などで飛行展示をたびたびおこなっているため、飛行機好きのあいだでは割とよく知られた存在といえるでしょう。

 これらチームは、ただ機体をイベントに持ち込んで展示するだけでなく、実際に機体を使った飛行まで行います。F-35Aのような戦闘機の場合、機体の運動性能を生かしたアクロバット飛行のような演技を見せてくれます。そのなかには実戦的な飛び方と決して言えないようなものもあったりしますが、それでもその戦闘機とアメリカ空軍の存在感をアピールするには十分です。

 なお、今回の「エアロ・インディア23」に参加したのはF-35Aだけではありませんでした。前述した三沢所在のデモンストレーションチーム「PACAF F-16 Demo Team」がF-16C 「ファイティング・ファルコン」戦闘機とともに姿を見せたほか、B-1B「ランサー」爆撃機も持ち込まれ、それぞれがイベント中に飛行まで行っています。また、アメリカ海軍も岩国基地から主力艦載機のF/A-18「スーパーホーネット」戦闘機を派遣し、機体を展示しています。

 これら現地へ駆けつけた機体を眺めてみると、アメリカが自軍の航空戦力をアピールするためにかなり力を入れたことがわかります。逆に言うと、アメリカがインドを重要視するようになった。今回の「エアロ・インディア23」はそう捉えることができるかもしれません。

【了】

【超音速爆撃機B-1も】エアロ・インディア23に姿見せた米軍機たち

Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

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