日本最古級の電車「譲ります」 条件は“展示すること” 明治生まれ鹿児島市電の花電車

もとは西鉄車両として福岡県も走っていました。

110年以上もの歴史持つレア路面電車

 鹿児島市交通局は2023年2月27日(月)、長らく使用してきた明治生まれの車両を無償譲渡すると発表しました。

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鹿児島市交通局が所有する「花2号」(画像:鹿児島市交通局)。

 当該車両は、1979(昭和54)年度に西日本鉄道より譲り受けたもので、2020年度まで花電車としておはら祭のPRなどで運行されてきました。

「花2号」の名称で知られるこの車両の台車は、1911(明治44)年9月に製造されたもので、現存する市電では唯一の単車構造(二軸車)です。鹿児島市交通局によると、110年以上の長い歴史を持つ花2号(装飾を外した車体のみ)について、解体せずに保存できないか検討していたものの、交通局敷地内では保存が難しいため、長期間有効に活用してもらえる譲渡先をこのたび募集することにしたといいます。

 車両の概要は、長さ10m、幅2.3m、高さ4.1m(パンタグラフ折畳時)、重量約6t、台車型式はブリル21E、軌間は1435mmです。

 個人、法人問わず応募できますが、条件として「1:有効な活用方法を実現できること」「2:展示(設置)場所を所有していること」「3:車両の運搬計画が立てられ、また搬送費用等の負担が可能であること」「4:展示(設置)後の管理及び安全対策が適切に行われること」などを満たすことが求められます。

 なお、引き渡しにあたっては「制御器」「制動弁」「遮断器」「抵抗器」「調圧器」「空気圧縮機」などは外して譲渡するほか、現状渡しとなるため交通局では整備などは行わないそう。また、運搬などに係るすべてのは費用は負担する必要があるほか、再譲渡しないこと(転売の目的ではないこと)や、台車の外観を著しく乱さないこと、2023年7月末頃までに搬出することも条件として掲げられています。

 応募期間は2023年2月27日(月)~同年3月15日(水)午後5時まで。応募する場合は所定の応募用紙(花2号活用計画書)を鹿児島市交通局電車事業課車両係に提出する必要がありますが、受け付けはEメールのみで、郵送やFAXは不可です。詳細は鹿児島市交通局が公開している募集要項をご確認ください。

【了】

【往時の姿】花電車として活躍していた時の「花2号」の勇姿ほか

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