50年で速くなったJR特急列車ランキング 逆に遅くなった列車も多数 ナゼ?
JR在来線の特急列車がこの50年間、表定速度においてどのくらいスピードアップしたのかを速い順に列挙。すると地域での差が見えてきました。ただ、車両性能の向上や路線の改良などで一概に速くなったかといえば、そうでもないようです。
大幅スピードアップ特急「ソニック」
鉄道の歴史は、スピードアップの歴史でもありました。この50年間を見ても、新幹線の最高運転速度(最高速度)は東海道新幹線の210km/hから東北新幹線の320km/hへと大幅に向上しています。
一方、JR在来線列車の最高速度に関しては、国鉄時代の120km/hから130km/hへとわずかなアップに留まっています。ただし特急列車を個別に見ていくと、大幅に所要時間を短縮させた列車、ほとんど変わらない列車など様々です。
そこでこの50年間、同一区間を走る特急列車がどれだけスピードアップしたかを比較し、ランキングにしてみました。指標に表定速度(途中駅での停車時間も含めた平均の速度)を用いたところ、ベスト5は以下の通りでした。
・1位「ソニック33号」(99km/h):博多~大分間31km/hアップ(「にちりん1号」68km/h)
・2位「あずさ37号」(91km/h):新宿~松本間25km/hアップ(「あずさ1号」66km/h)
・3位「サンダーバード37号」(106km/h):大阪~金沢間21km/hアップ(「雷鳥1号」85km/h)
・4位「しなの15号」(86km/h):名古屋~長野間21km/hアップ(「しなの2号」65km/h)
・5位「おおぞら5号」(87km/h):札幌~釧路間20km/hアップ(「おおぞら3号」67km/h)
※列車名・速度とも右側記載が50年前。時刻表2023年3月号と1972(昭和47)年12月号による。いずれも最速の下り列車を2023年の運行区間で算出。表定速度が同一でも順位が異なるのは、四捨五入前の小数点以下まで含めて判断したため。
1位の特急「ソニック」から見ていきましょう。約50年前の1972年、博多~大分間を485系電車の特急「にちりん」1号が所要2時間58分で走っていました。同区間を特急「ソニック33号」は2時間1分で走破しています。最高速度130km/h、曲線通過速度をアップさせる車体傾斜装置(制御付き自然振り子式)搭載など車両性能の向上と、単線区間の複線化などによって、大幅なスピードアップを達成しました。
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