50年で速くなったJR特急列車ランキング 逆に遅くなった列車も多数 ナゼ?

JR在来線の特急列車がこの50年間、表定速度においてどのくらいスピードアップしたのかを速い順に列挙。すると地域での差が見えてきました。ただ、車両性能の向上や路線の改良などで一概に速くなったかといえば、そうでもないようです。

日本海側の列車はあまりスピードアップしていない

 特急の速度の歴史で特徴的なこととして、観光地向けなどの中・近距離列車は、表定速度があまりアップしていないことが挙げられます。例えば上野~長野原草津口間の特急「草津・四万」、東京~伊豆急下田間の特急「踊り子」、新宿~館山間の特急「新宿さざなみ」、天王寺~新宮間の特急「くろしお」、大阪~鳥取間の特急「はまかぜ」、博多~大分間の特急「ゆふいんの森」、熊本~大分間の「九州横断特急」などです。

 以上はいずれも、アップした表定速度が50年前の同区間と比べ5km/h以下に留まっています。これは、東京や大阪周辺で停車駅を大幅に増やしたことが主な原因です。わずかな時間のスピードアップよりも、多くの乗客にとっての乗りやすさを重視したわけです。

 なお、名前が挙がらなかったJR四国の列車に関しては、高松~高知間の特急「しまんと」、高松~松山間の特急「いしづち」が、50年前と比較して7~10km/hアップしています。なんとか面目を保っているところでしょうか。

 こうしてJR在来線を見てくると、幹線は比較的スピードアップがなされているものの、ランキング上位に出てこない山陰本線、羽越本線といった日本海側の幹線および亜幹線では、さほどアップしていないのが分かります。

 さて、高速道路網が発達した現在、在来線特急列車の多くは高速バスがライバルです。スピード(所要時間)、料金、停車駅の数など、これからも時代の変化に応じたダイヤや列車が設定されるでしょう。最後に、この50年間で表定速度がさほど変わっていない列車を紹介します(種別の記載がない列車は特急)。

・「草津・四万1号」(72km/h):上野~長野原草津口間3km/hダウン(「白根1号」75km/h)

・「はまかぜ1号」(61km/h):大阪~鳥取間3km/hダウン(「はまかぜ1号」64km/h)

・「踊り子7号」(63km/h):東京~伊豆急下田間1km/hダウン(「あまぎ2号」64km/h)

・「新宿さざなみ3号」(63km/h):新宿~館山間±0km/h(「さざなみ5号」63km/h)

・「剣山3号」(59km/h):徳島~阿波池田間1km/hアップ(急行「よしの川2号」58km/h)

【了】

【写真】国電(山手線)と気動車が並走していた頃

Writer:

フリーライター。地形散歩ライター。実業之日本社で旅行ガイドシリーズの編集長などを経てフリーに。散歩、鉄道、インバウンド、自然災害などのテーマで主に執筆。著書に『関東大震災と鉄道』(ちくま文庫)、『地形で解ける!東京の街の秘密50』(実業之日本社)、『外国人が見た日本 「誤解」と「再発見」の観光150年史』(中公新書)』ほか多数。

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