残存率わずか1%! 最多を誇った国鉄通勤形電車「103系」 和田岬線から引退、残りは?

西日本と九州で長らく残ったワケ

 では和田岬線も含めた西日本~九州地区で、103系が長きにわたり使われ続けた理由は何でしょうか。それは、国鉄から車両を継承したJR各社の考え方の違いによる部分が大きいといえます。

 まず本州の3社は国鉄の債務も引き継いただめ、支出を抑えた経営が不可欠でした。JR東日本が消費電力や製造コスト、使用期間までを抑えた廉価な車両を開発したのに対し、JR西日本は国鉄型車両を延命改造し、長期使用することとしました。

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JR筑肥線の103系(2014年2月、草町義和撮影)。

 なおJR九州の筑肥線では、1983(昭和58)年に唐津~姪浜間が電化された時点で省エネ電車201系が登場していたものの、列車密度などから省エネ効果が期待できなかったため、前世代の103系で導入コストを抑えたという事情があります。

 さて、和田岬線では引退日の午前9時40分から、兵庫駅にて出発式が行われます。なおJR西日本によると、駅ホームなどの混雑防止のため、最終列車のダイヤは非公表とのこと。同線の103系にはこれまでの利用に感謝を込めて、記念ヘッドマークや車内ポスターが掲出されています。

【了】

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