戦争で「ダム破壊」なぜ?どうやって? 敵味方とも影響大 WW2や朝鮮戦争の「ダムバスターズ」たち

ウクライナ南部にあるダムが決壊し、下流域に甚大な被害が出ています。ただ、同じことは第2次大戦や朝鮮戦争でも行われました。それらで用いられたのは爆撃機。また前者では特殊な爆弾も開発のうえ使用されています。

4t爆弾が「水切り」の如くぴょんぴょんと

 このプランを実現するため、イギリス空軍は巨大なドラム缶型爆弾「アップキープ」を開発しました。これは、反跳爆弾と呼ばれるもので、低空飛行する航空機から逆回転をつけた状態で投下すると、ちょうど石投げの「水切り」のように爆弾が水面を跳躍しながら進みます。やがてダムの胸壁にぶつかり、それに沿って水中に沈むと、一定の水深で水圧信管が作動して起爆。その爆発で生じた大きな水圧によって胸壁を崩す、特殊な爆弾でした。

 強大な水圧を発生させるために、「アップキープ」は約4tもあったので、それを搭載する爆撃機には、イギリスが誇る大型の戦略爆撃機アブロ「ランカスター」が選ばれました。そして爆弾倉が改造され、「アップキープ」に逆回転を与える特殊な装置を装着。しかも、高度約18mという超低空で投下しなければならなかったため、この任務に向けて特別に編成された第617中隊は、4発エンジンの「ランカスター」爆撃機を超低空で飛ばす訓練に明け暮れました。

Large 20230610 01
反跳爆弾「アップキープ」を胴体下部に取り付けたアブロ「ランカスターB.マークIII スペシャル」爆撃機(画像:イギリス国立公文書館)。

 攻撃目標には、ルール工業地帯のメーネダム、ゾルペダム、エーデルダムなどが選ばれ、今から約80年前の1943年5月17日、第617中隊は「チャスタイズ」と命名されたこの作戦に、特別改造の「ランカスターB.マークIII スペシャル」(タイプ464 臨時改造型)19機で出撃。見事ダムの破壊に成功しています。そのため、第617中隊は「ダムバスターズ」の愛称で呼ばれるようになりました。

 この攻撃の結果、ダムは決壊。下流域約80kmにおよぶ地域に大水害が生じ、死者約1300名、操業が停止した軍需工場約125か所、流された橋25本、一時的に使えなくなった農地約3000ヘクタールという大損害をドイツに与えました。しかし、イギリス側も出撃した19機の「ランカスター」爆撃機のうち8機が撃墜されています。

【巨大爆弾が跳んでる!】イギリス空軍が撮った反跳爆撃の様子を連続写真で

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス