ウクライナ熱望のF-16、反転攻勢のカギに…だけじゃない? 万能戦闘機を与えるNATOの“意図”

ロシア軍の占領地域を奪回しようと攻勢を強めているウクライナ軍。そんな同国がいまアメリカ製F-16戦闘機の導入に意欲的なのは、戦後復興を見据えた動きでもあるようです。

黒海の制海権確保がウクライナの復興を促進

 冒頭に記したように、すでにアメリカを始めとしたNATO諸国による、ウクライナ空軍将兵へのF-16の運用訓練は始まっています。同機がいわゆる流行り言葉でいうところの「ゲームチェンジャー」になるとは到底思えないものの、少なくともクリミア半島の奪回に成功すれば、F-16が同半島一帯の防衛と黒海での制海・制空に、絶大な威力を発揮するのは間違いないでしょう。

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ウクライナ国旗を掲げた戦車の乗員(画像:国防省)。

 6月21日から翌22日にかけて、イギリスの首都ロンドンにおいて、このたびのロシア侵攻で甚大な被害を被ったウクライナを支援するための「ウクライナ復興会議」が開催されました。

 この会議に参加した各国からの支援は、総額600億ドル(約8兆5700億円)とも。そして復興には、当然ながらさまざまな資材が必要ですが、それらは陸路だけでなく海路でも運ばれます。また、ウクライナにとっての重要な外貨獲得手段である穀物も、海路で輸出されます。

 こういった点からも、黒海の制海と制空によるシー・レーン(海上交通路)の安全確保は、ウクライナにとって最重要事項といえるでしょう。ひょっとしたら、クリミア半島の奪回と維持は、ウクライナだけでなくNATOも考えているのではないかと筆者は推察しています。

【了】

【戦闘機ナニ使っている?】ウクライナ空軍が用いる軍用機ほか(写真)

ロシア軍のウクライナ侵攻 最新情勢 戦争はどうなっているのか

Writer:

東京・御茶ノ水生まれ。陸・海・空すべての兵器や戦史を研究しており『PANZER』、『世界の艦船』、『ミリタリークラシックス』、『歴史群像』など軍事雑誌各誌の定期連載を持つほか著書多数。また各種軍事関連映画の公式プログラムへの執筆も数多く手掛ける。『第二次世界大戦映画DVDコレクション』総監修者。かつて観賞魚雑誌編集長や観賞魚専門学院校長も務め、その方面の著書も多数。

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