「ユーロファイターはやらん」ドイツ首相がサウジへ頑なに拒否 イギリスは輸出したいのになぜ?
ドイツ国内の事情も関係している?
サウジアラビアがイギリスへ追加発注した機体数は48機と言われており、追加分としてはかなりの数です。同国は、軍拡を続ける対立国であるイランへの備えとして、空軍の強化を図っていますが、5年もユーロファイターの輸入が保留にされており、既に計画に大きな乱れが生じています。
なお、イエメン内戦で、サウジアラビアが攻撃しているフーシ派は、イランが支援を受けており、イエメン内戦は代理戦争的な要素もありましたが2023年3月には両国間の和解が一応成立。ひとまず外交関係も正常化することとなりました。
イエメンでの内戦は継続中ですが、サウジアラビアの影響力が弱まったことを理由にイギリスは、ドイツの反対だけではユーロファイターの輸出は阻止できないとして、輸出への準備を進めています。ただ同機の部品の3分1はドイツから供給されている関係もあり、独断で動くというのはほぼ不可能の状況です。
なお、ドイツ国内の報道によると、ドイツの現政権であるドイツ社会民主党(SPD)、自由民主党(FDP)、緑の党の連立政権の合意内容には「イエメン内戦で直接関与していることが証明できる限り、各国に武器の輸出許可を発行しない」という項目があり、解釈によってはサウジアラビアにユーロファイターを送ることも可能ですが、緑の党が強く反対しているようです。一部報道では、少なくとも2025年の連邦議会選挙終了後までは許可が下りないのではと見られています。
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