アメリカが導入決めたのが決定打か 米英豪で次世代早期警戒機の開発・改良に合意
航空自衛隊のE-767は孤高の存在になりそう。
同盟国同士の協力で相互運用性の向上も
アメリカ空軍は2023年7月19日、新型の早期警戒機E-7「ウェッジテイル」について、イギリスとオーストラリア両国の空軍とともに、3か国共同で開発に取り組むことで合意に達したと発表しました。
これに伴い、アメリカ空軍参謀総長のチャールズ・ブラウン・ジュニア大将、イギリス空軍参謀総長のリチャード・ナイトン空軍元帥、オーストラリア空軍参謀総長のロバート・チップマン空軍元帥の3名は、イギリス国内で開催中のロイヤルインターナショナルエアタトゥーの敷地内で開催された記念式典で合意文書に署名しています。
E-7は、ボーイング737-700旅客機をベースに、機体上面にマルチロール電子スキャンアレイ(MESA)センサーを搭載した早期警戒管制機で、当初は「E-737」とも呼ばれました。
もともとはオーストラリア空軍の要求で開発され、2004年に初飛行しています。その後、韓国やトルコも導入したほか、イギリスも自国空軍が運用するE-3「セントリー」の後継としてE-7の採用を決めており、同空軍には間もなく初号機が引き渡される予定です。
アメリカ空軍も2022年4月に、現在運用しているE-3「セントリー」早期警戒管制機の一部をE-7で置き換えると発表。今年(2023年)2月末には最初の2機をボーイングに発注しています。
今回締結された3国間での合意は、E-7「ウェッジテイル」の能力構築、評価試験、相互運用性、維持、運用、訓練、および安全面に関連する様々な事項について、相互利益のために協力していこうとするものです。
なお、日本も前の中期防衛力整備計画(26中期防)でE-7の導入について検討したことがあるものの、最終的にノースロップ・グラマン社製のE-2D「ホークアイ」を選定しています。
【了】
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